2022 Fiscal Year Annual Research Report
メタボリックシンドロームが運動器機能に及ぼす影響と運動療法による改善機序の解明
Project/Area Number |
20K09435
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
西良 浩一 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (10304528)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
常山 幸一 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (10293341)
二川 健 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (20263824)
高田 洋一郎 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 特任准教授 (20420549) [Withdrawn]
酒井 紀典 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 特任教授 (80403731)
杉浦 宏祐 徳島大学, 病院, 助教 (60837243)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | メタボリックシンドローム / ロコモティブシンドローム / 筋萎縮 / 脂質代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
加齢とともに低下する骨や筋、関節などの運動器機能の障害全般を包括した概念であるロコモティブシンドローム(ロコモ)と、内臓脂肪型肥満に高血糖や高血圧、脂質異常症を合併した概念であるメタボリックシンドローム(メタボ)は、相互に影響し合うことが明らかになっているがその詳細な機序は明らかではない。 健常動物モデルと、発育過程で自然にメタボを発症するメタボ動物モデルの下肢骨をマイクロCTにて解析を行った結果、メタボマウスでは骨皮質がやや菲薄化し骨梁が減少していた。 健常動物モデルでも加齢とともに内臓脂肪が蓄積し(メタボ)、後肢骨格筋は萎縮していく(ロコモ)。この過程で筋特異的なユビキチンリガーゼであり筋萎縮関連遺伝子であるMuRF1の発現も上昇していくが、発現上昇を抑制したMuRF1欠損モデルでは加齢による筋萎縮が抑制されるにも関わらず体重増加が抑制された。体組成を調べた結果、加齢に伴う脂肪増加が抑制されていた。内臓脂肪減少は筋萎縮が進行する前の若齢期から見られており、MuRF1の存在が内臓脂肪蓄積や脂質代謝異常に関係している可能性が考えられた。 間接的熱量測定ではMuRF1欠損モデルの安静時消費エネルギーが多く、通常よりも脂質代謝優位であることが分かった。遺伝子、タンパク質解析の結果、MuRF1欠損モデルでは糖代謝と脂質代謝の調節を担っているPDK4がミトコンドリア内により多く局在し、脂質代謝が活発になっている可能性が考えられた。MuRF1を過剰に発現させた細胞を用いてPDK4の翻訳後修飾因子を解析した結果、PDK4は過剰にSUMO化修飾を受けており、ミトコンドリア内への局在が減少していた。MuRF1は筋萎縮(ロコモ)に関連する遺伝子であるのみならず、PDK4の翻訳後修飾を介した脂質代謝能低下(メタボ)を誘導している可能性が示唆された。
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Research Products
(32 results)