2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K09677
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
小貫 麻美子 昭和大学, 医学部, 講師 (20573744)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 光司 昭和大学, 医学部, 教授 (30302714)
柊元 巌 国立感染症研究所, 病原体ゲノム解析研究センター, 室長 (70291127)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ブレイクスルー症例 / HPVワクチン / 子宮頸癌 / 子宮頸部上皮内病変 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.ブレイクスルー症例の抽出:AMED感染症実用化事業『思春期女性へのHPVワクチン公費助成開始後における子宮頸癌のHPV16/18陽性割合の推移に関する疫学研究』へ2020年1月から12月までに1160名(うち子宮頸癌148名)の登録があった。解析できた子宮頸癌患者135名で、HPVワクチン接種歴があると回答した症例はいなかった。また2012年~2017年に登録された症例と合わせた8822例の検討で、40歳未満で子宮頸癌を発症し本研究に登録され解析可能な患者1272名のうち、担当医からHPVワクチン接種歴があると報告があったのは22名、HPVワクチン接種歴がないと報告があったのは1235名、HPVワクチン接種歴不明であると報告があったのは15例だった。HPVワクチン接種ありと回答した22名中15名(68.2%)にHPVワクチンが防御する対象のHPVタイプであるHPV16/18のいずれか(もしくは両方)が陽性であった。一方HPVワクチンの接種歴がない集団は944名(76.4%)、ワクチン接種歴不明の集団は14名(93.3%)であった。この集団には初交年齢のデータがないため、今後接種年齢と疾患別HPV16/18陽性率について検討を進める予定である。 2.HPV ワクチン接種状況と性交歴のデータ回収:2019年から開始した登録患者を対象にした郵送式アンケートの回収率は約60%で、子宮頸癌として登録され、かつアンケートにワクチン接種と初交年齢が記載されている症例では、現在のところ該当者はいなかった。ただし高度前癌病変においてはワクチン接種後のHPV16/18陽性例が39名中2名、ワクチン接種歴のないHPV16/18陽性者は66名中28名であった。 3. ブレイクスルー症例のHPVフルゲノム解析、ブレイクスルー症例の中和抗体測定に関しては該当者がおらず、実行できなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
AMED研究への登録は1000例以上持続されており、症例数としては問題がない。また前述の通り、性交渉に関するアンケートにも6割近くの女性が解答しておりアンケートの信ぴょう性にも大きな問題はない。すでに、この研究の対象となる集団では一般集団より初交年齢が約3歳早いことも日本産科婦人科学会で発表した。したがって、HPVワクチンを接種したのにも関わらずHPV16/18陽性である子宮頸癌患者が今後登録された場合も真のブレイクスルー症例なのか、HPV16/18感染後のワクチン接種なのかは鑑別が可能であると考えている。 しかし、公費助成を受けHPVワクチンを接種された世代(1994-1999年生まれ)が子宮頸がんの好発年齢である20代後半にまだ達したばかりであり全体数が少ないため、DNA解析や中和抗体測定へ進む該当者が少ない。今後この数年で増加してくるものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の通り、公費助成を受けHPVワクチンを接種された世代(1994-1999年生まれ)が子宮頸がんの好発年齢である20代後半にまだ達したばかりであり全体数が少ないため、DNA解析や中和抗体測定へ進む該当者が少ない。今後この数年で増加してくるものと考えている。また、子宮頸癌患者だけではなくその前癌病変(子宮頸部上皮内病変、CIN)患者についてもブレイクスルー症例の存在について検討を進めることも検討する。
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Causes of Carryover |
HPV ゲノム解析や中和抗体測定に該当する症例が存在せず、今年度は物品費に充当する必要があまりなかった。 次年度では、再度該当症例を探索するとともに、高度前癌病変患者までを対象にするか検討する。 また次年度では子宮頸がん検診を受ける女性が今年度よりもやや増加することが見込まれ、AMED研究への登録人数も増加することを期待している。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Human papillomavirus genotype contribution to cervical cancer and precancer: Implications for screening and vaccination in Japan.2020
Author(s)
Onuki M, Matsumoto K, Iwata T, Yamamoto K, Aoki Y, Maenohara S, Tsuda N, Kamiura S, Takehara K, Horie K, Tasaka N, Yahata H, Takei Y, Aoki Y, Kato H, Motohara T, Nakamura K, Ishikawa M, Kato T, Yoshida H, Matsumura N, Nakai H, Shigeta S, Takahashi F, Noda K, Yaegashi N, Yoshikawa H.
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Journal Title
Cancer Sci.
Volume: 117(7)
Pages: 2546-2557
DOI
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[Journal Article] Human Papillomavirus (HPV) Genotyping Assay Suitable for Monitoring the Impact of the 9-Valent HPV Vaccine.2020
Author(s)
Kukimoto I,Matsumoto K, Takahashi F, Iwata T, Tanaka K, Yamaguchi-Naka M, Yamamoto K, Yahata H, Nakabayashi M, Kato H, Tsuda N,Onuki M, Yaegashi N; MINT Study II Gr
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Journal Title
Tohoku J Exp Med.
Volume: 251(4)
Pages: 287-294
DOI