2023 Fiscal Year Research-status Report
好酸球性副鼻腔炎の病態におけるメントールの役割に関する研究
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20K09700
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
都築 建三 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (50441308)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 好酸球性副鼻腔炎 / 嗅覚障害 / 内視鏡下副鼻腔手術 / 生物学的製剤 / 副腎皮質ステロイド薬 / メントール / TRPM8 |
Outline of Annual Research Achievements |
臨床研究は、好酸球性鼻副鼻腔炎(ECRS)に対する薬物治療(副腎皮質ステロイド薬・生物学的製剤)と内視鏡下副鼻腔手術(ESS)の有効性を検討した。この結果からECRS術後の再発性を考慮して、最も適した術後対策を考察した。本研究では、術後の鼻内所見を評価するために、我々が提唱した鼻内の再発率を示唆する術後内視鏡スコア(Eスコア; Tsuzuki K, et al: Auris Nasus Larynx, 2014)を用いた。ECRSに対して初回ESSを行った成人339例を対象とした。この対象症例を、手術(ESS)単独で経過を良好に維持できた群、副腎皮質ステロイド薬を必要とした群、さらに生物学的製剤(デュピルマブ)の使用か再手術を要した3群に分けて、Eスコアをレトロスペクティブに検討した。ESS単独で良好な術後経過を維持できたのは65%(221/339例)であり、残りの35%(118/339例)は術後に副腎皮質ステロイド薬による治療を要した。さらに生物学的製剤(デュピルマブ)の投与または再手術を受けたのは10%(34/339例)であった。3群間のEスコアについてROC分析を行い、治療別に鼻内所見を考察した。Eスコアが30%未満の群は副腎皮質ステロイド薬を使用せずに安定して経過が良好に維持でき、65%以上の群では生物学的製剤(デュピルマブ)の使用あるいは再手術(ESS)による治療が必要となった。これらの結果から、副腎皮質ステロイド薬なしで良好な状態を維持するECRSの治療目標の到達の評価に、Eスコア(30%未満)も有用な指標の一つとして考えられた。2020年度より検討してきた本研究の成果は、英文誌(Saito T, Tsuzuki K, et al: J Laryngol Otol 2024)に受理された。 基礎研究は、ECRSにおけるTRPM8を介したメントールの肥満細胞を活性化、アレルギー応答を惹起する機序の解析に取り組んでいる。さらに関与しうる種々の免疫系細胞や上皮系および間質系の細胞に対するメントールの効果を評価する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
臨床研究はおおむね予定通り遂行できている。 基礎研究は発案と計画はできているが、遂行と成果の評価は遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床研究の成果をまとめて、英文誌(Saito T, Tsuzuki K, et al: J Laryngol Otol 2024)に受理された。さらに、これを基にした英文論文を投稿中である。基礎研究は実験を遂行して、得られた結果を英文論文で投稿できるようにとりまとめる。
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Causes of Carryover |
臨床研究を追加して検討していることと、基礎研究の遂行が遅れているため。2024年度を最終年度として研究の総括を行う。
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Research Products
(12 results)