2021 Fiscal Year Research-status Report
Basic research of SIRT1 activator to treat eosinophilic sinusitis
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20K09703
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中丸 裕爾 北海道大学, 医学研究院, 准教授 (20344509)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 好酸球性副鼻腔炎 / サーチュイン / 上皮バリア機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
好酸球性副鼻腔炎は難治の副鼻腔炎で中高年において発症する。鼻腔粘膜上皮の脆弱化が発症の一因とされているが、詳細は不明である。申請者らは老化の保護因子であるSIRT1蛋白を研究し、COPDなどの加齢に伴い発症する炎症性疾患においてSIRT1蛋白の減少が、疾患の病態を形成することを明らかにしてきた。鼻腔粘膜組織において上皮にSIRT1が強発現していることを見出したため本研究の着想にいたった。 本年度までに、①好酸球性副鼻腔炎炎症局所におけるSIRT1発現、②SIRT1による鼻粘膜上皮バリア機能の変化を評価した。 まず好酸球性副鼻腔炎炎症局所のSIRT1の発現を免疫組織化学染色で確認した。1. 手術時に摘出した好酸球性副鼻腔炎患者鈎状突起粘膜および鼻茸組織および対照として肥厚性鼻炎にて手術した下鼻甲介粘膜より凍結切片を作成。2. 抗SIRT1抗体を用い、切片を染色。ABC法にて発色して観察。3. 好酸球性副鼻腔炎炎症局所におけるSIRT1の局在を検討した。結果、下鼻甲介粘膜におけるSIRT1の発現は、上皮細胞に多く認められた。特に上皮の基底層に強い発現を認めた。 次に上皮バリア機能を検討するために、鼻腔粘膜上皮の経上皮バリア機能におけるSIRT1の役割を検討した。手術時に摘出した下甲介粘膜より鼻腔上皮細胞を単離し、Transwell上層に散布し、Air Liquid Interface(ALI)法で培養した。21日培養後、SIRT1の抑制剤(resveratrol)あるいは促進剤(splitomicin)を添加し経上皮電気抵抗を測定した。Covid19パンデミックのため手術が減少しており患者数が集まらず現在検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Covid19パンデミックのため、実験用具(特に、air-liquid interfaceの実験に必要不可欠なtraswell)の入手が困難となったことと、手術が減少したために、実験が少し遅れることとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点で、SIRT1の局在が判明した。SIRT1は加齢により減少していくとのことで、基底層で多く、表皮で減少していくことは合理的な結果と考えられる。今後はコントロールと疾患群でのSIRT1量の差異を検討する予定である。また鼻腔粘膜上皮における経上皮電気抵抗の検討では、traswellが入手困難で実験が遅れていた。今後transwellを入手し、副鼻腔炎手術症例数を十分集め、SIRT1抑制剤の有無での有意差が確認できるかを検討する。
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Causes of Carryover |
本年度Covid-19パンデミックのため、実験用消耗品の入手が困難で実験が遅れがちであった。また予定していた学会参加ができず、学会参加費および旅費の支出がなくなったため、次年度使用額が生じた。今後消耗品を入手し、令和4年度に使用する予定である。
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