2022 Fiscal Year Annual Research Report
GABA受容体rho2の破骨細胞分化調節機構の解明とそのアゴニストの臨床応用
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20K09880
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
玉村 禎宏 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 助教 (70431963)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 朗 東京歯科大学, 歯学部, 客員教授 (00142430)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | GABA受容体rho2 / 破骨細胞 / Floxedマウス |
Outline of Annual Research Achievements |
クロライドイオンチャンネル(Cl-)型GABA受容体ファミリーに属するGABA受容体ρ2subunit (Gabrr2)の破骨細胞分化における役割について調べた。 NFκBシグナルは、破骨細胞分化に必須のシグナル伝達経路である。マウス骨髄より採取した単球系細胞にGabrr2を過剰発現させ、TNFαもしくはRANKL処理によるIκBαのリン酸化をウエスタンブロット法によって解析したところ、Gabrr2発現細胞ではGFP発現細胞と比較してIκBαのリン酸化が抑制された。また、Gabrr2のアゴニストTACAの処理によっても、同様にIκBαのリン酸化が抑制された。このことから、Gabrr2は破骨細胞におけるNFκBシグナルを抑制することが判明した。さらにloxP配列挿入Gabrr2マウス(Floxed-Gabrr2)から採取した骨髄単球系細胞にCre recombinaseを発現させ、in vitroにおけるGabrr2ノックアウトマウス細胞を用いて解析を行った。その結果、Gabrr2ノックアウトマウス細胞では、TNFαもしくはRANKL処理によるTRAP染色が亢進した。また、Cathepsin K, Nfatc1, cFosなどの破骨細胞分化マーカー遺伝子の発現が上昇した。以上のことから、Gabrr2はNFκBシグナルを抑制することで破骨細胞分化を抑制することが判明した。今後は、Gabrr2ノックアウトマウス細胞におけるIκBαのリン酸化の検討およびGabrr2によるNFκBシグナル伝達の抑制機構について検討する。
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