2021 Fiscal Year Research-status Report
幹細胞を誘導し高度立体構造をもつ歯根膜シートを創製するマイクロ・ナノパターン探索
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20K10006
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉田 靖弘 北海道大学, 歯学研究院, 教授 (90281162)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤坂 司 北海道大学, 歯学研究院, 准教授 (00360917)
玉井 美保 沖縄科学技術大学院大学, 免疫シグナルユニット, スタッフサイエンティスト (20619704)
鈴木 伸吾 北海道大学, 歯学研究院, 技術職員 (70847839)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | マイクロ・ナノパターン / ES細胞 / 歯髄幹細胞 / 歯根膜再生 / 象牙質再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
●研究の目的:歯質再生時に大きな役割を担うことになる幹細胞に特化して象牙質や歯根膜再生を目指す。超立体微細パターン作製技術を用い、各種幹細胞を用いた①「バイオ系微細パターンによる各種幹細胞の立体培養や分化誘導の法則化」、②「超立体階層化パターンによるコラーゲン線維など歯根膜構造の再生」を検討したい。 ●研究の成果:①パターンの作製:昨年度よりサイズが大きな形状として、シリコンモールドよりパターン系列(形:ピラー、ホール、グルーブ、サイズ:直径または幅0.5~50μm、高さ:2~10 μm)を作製した。 ②マウスES細胞の培養:マウスES細胞を各種微細パターン上に播種し、通常培地での培養にてパターンによる分化度合いへの影響を検討した。6日間培養後、外胚葉分化マーカーSOX1の蛍光染色により分化状態を評価した。その結果、高さ2μmのグルーブ・ホール・平面上では相対的に外肺葉系への分化を示していたが、ピラーでは未分化を維持する傾向を示した。高さ10μmでは、幅・直径10μmグルーブ・ホールにて、ピラーでは1μmにて分化傾向が観察された。これらのことは、形状の精密制御によりES細胞の分化をコントロールできる可能性を示唆している。 ③ヒト乳歯歯髄幹細胞の培養:ヒト乳歯歯髄幹細胞をパターン上で播種し、骨系分化への影響を検討した。骨分化培地にて3週間培養後、アリザリンレッド染色を行った結果、相対的にグルーブ形状にて石灰化の促進が観察された。また象牙質分化マーカーの染色では、主にサイズにより発現が制御されているようであった。いずれも形状・サイズにより分化の度合いをコントロールできる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度のコロナ関連で他の業務による研究時間の減少のため単純に延滞はしているが、少しずつ進行状況は回復してきている。形状やサイズによる細胞の挙動制御の可能性が見出せて来ており、研究自体は促進しているため、最終的には計画通りになると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までに、幹細胞や歯髄幹細胞にて、それぞれ形状やサイズによる細胞の挙動制御の可能性が見出せているので、再現性や定量性を重視し、結果の法則化を目指したい。 ①微細パターンの作製(基本パターンおよび超微細3Dプリンター):基本形状は、現在までに作製したパターンを使用し、再現性や他の機能の検討を行う。効果の現れたパターンを大面積化できるか検討し、より詳細な機能評価へ繋げたい。また、超微細3Dプリンターにて機能を増幅させる新しいパターンをデザインしたい。 ②マウスES細胞での評価:形状の効果が現われているので、現在の蛍光顕微鏡での外肺葉分化マーカーSOX1による評価をスクリーニングの位置づけで定量化する。その後、パターンに適したリアルタイムPCRの手順の適正化を行い、未分化や各種分化を定量評価する。 ③ヒト乳歯歯髄幹細胞:象牙質への分化マーカーが形状やサイズで制御できる可能性があるので、主に10~5μmのサイズを中心にパターンの高さや深さを変化させたパターンでも検討を行い最適化する。さらに、超微細3Dプリンターにて、より3次元的な形状をデザインし、象牙質再生を検討する。
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Research Products
(3 results)