2022 Fiscal Year Annual Research Report
Application of smart cement for fixed cement implant
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20K10036
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
河野 文昭 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 教授 (60195120)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関根 一光 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 准教授 (50447182)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 通電剥離型セメント / 口腔内環境 / サーマルサイクル / 生理食塩水 / イオン溶液 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、インプラントのセメント固定式上部構造に通電することにより簡単に取り外しができる通電剥離型セメントの開発を行っている。本研究課題では、口腔内環境での本セメントの接着強さ低下効果の変化について、4℃と60℃のサーマルサイクルを0回、2500回、5000回、10000回加えた場合と口腔内環境を疑似した生理食塩水中で30日間浸漬した場合について、試作セメントの耐久性を中心に検討を加えた。その結果、サーマルサイクル試験では、5000回まで通電前の接着強さに大きな変化が認められなかったのに対して、2500回では通電後の接着強さは有意に増加し、2500回から通電による接着強さの低下効果の低下が始まっていた。通電による接着強さの低下率は、サーマルサイクル0回で68.7%、2500回で17.6%、10000回で1.9%となり、10000回のサーマルサイクルでは低下効果が見られなくなることが明らかになった。また、生理食塩水浸漬試験では、蒸留水中に1ヶ月浸漬した場合には通電による接着強さの低下率は59.2%、生理食塩水中浸漬した場合には81.5%となり、生理食塩水中に浸漬した場合には、通電による接着強さの低下効果が維持され、その効果は大きくなることが示された。試作セメントに添加したイオン溶液のイオンの溶出の抑制とセメント内へのイオンの取り込みが通電型剥離セメントの通電による接着強さの低下効果の持続に影響を与えていることが示された。そのため、セメントへのイオンのリチャージやリコールの時期を検討することにより、通電剥離型セメントは有効に使用できることが示唆された。
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