2023 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of cancer immune response using a virtual lymph node metastasis model
Project/Area Number |
20K10141
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
熊丸 渉 九州大学, 大学病院, 講師 (90432947)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鬼丸 満穂 九州大学, 医学研究院, 助教 (00380626)
藤永 貴大 九州大学, 大学病院, 助教 (10738206)
鈴木 淳史 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (30415195)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 口腔扁平上皮癌細胞株 / シングルセル / がんの不均一性・多様性 |
Outline of Annual Research Achievements |
癌細胞株での解析は、増殖能が劣る遊走能に優れた細胞群が培養増殖下に淘汰されるため、十分な解析結果が得られるとは判断しにくい。そこで、がんの不均一性・多様性をふまえると転移能をはじめとするさまざまな癌に関する解析は、シングルセル由来細胞での解析が重要だと考えられる。われわれは口腔扁平上皮癌細胞株(WK2)の初代培養より早期に保存された癌細胞よりシングルセル由来の細胞を多数樹立した。形態学的には、通常の癌細胞の形態をした角化細胞様細胞が大多数を占めていたが、dish上での細胞倍加時間と浮遊培養下でのSphere形成能での増殖能は様々であった。遊走しながらゆっくり分裂する細胞(3-12)に着目し、比色法での浸潤能を確認した。 結果 1)比色法での浸潤能を3群に分類すると、最も高かった角化細胞様細胞(9-22)は、細胞倍加時間が長く、Sphere形成能は高かった。比色法での浸潤能が最も低かった角化細胞様細胞(20-16)は、細胞倍加時間が短く、Sphere形成能は中程度であった。また、比色法での浸潤能が低かった角化細胞様細胞(17-13)は、細胞倍加時間が最も短く、Sphere形成能は最も高かった。肉眼的に遊走しながらゆっくり分裂する細胞(3-12)は、浸潤能は中程度であったが、細胞倍加時間が最も長く、Sphere形成能も最も低かった。このように、さまざまな多様性のシングルセルの存在が明らかになった。 2)シングルセル由来の細胞の遺伝子発現に対してRNA-seqを行い、in vitroでの結果を踏まえて、それぞれの細胞間での解析を行っているが、特異な増幅遺伝子の発見には至っておらず、解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
今回は10種類の遺伝子発現解析(RNA-seq)を行ったが、まだin vitro の実験データと相関するような発現強度の示すデータにたどり着いてはいなない。
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Strategy for Future Research Activity |
浸潤能の解析結果も踏まえて、シングルセル由来細胞の様々な遺伝子発現解析(RNA-seq)を進めて、論文の作製に取り掛かる。
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Causes of Carryover |
遺伝子解析後の確認実験および論文作製に至っていないため。
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