2023 Fiscal Year Research-status Report
傾斜地で農作業が高齢者の心身機能と健康寿命に及ぼす影響に関する研究
Project/Area Number |
20K10338
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Research Institution | Department of Clinical Research, National Hospital Organization Kyoto Medical Center |
Principal Investigator |
藤原 真治 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 臨床研究企画運営部, 研究員 (40458279)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂根 直樹 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 臨床研究企画運営部, 研究室長 (40335443)
小谷 和彦 自治医科大学, 医学部, 教授 (60335510)
市川 哲雄 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 教授 (90193432)
白山 靖彦 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 教授 (40434542)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 傾斜地 / 農作業 / 生活行為 / 高齢者 / 認知機能 / 身体機能 / 山間へき地 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、傾斜地での農作業が高齢者の心身機能と健康寿命に好影響を及ぼす条件を検討することを目的に、地域医療現場で実施される研究である。 令和2年初めからのコロナ禍にて、我が国は大規模な感染拡大期を幾度も経験した。本研究は同年に研究期間が開始となり、対象者である慢性疾患を有する65歳以上の高齢者は全員が新型コロナ感染症の重症化リスクを有するとも考えられる状況であった。研究では対象者が農作業を行っている畑について傾斜地としての評価を行う必要があったが、感染予防のため現地に赴くことが困難であった。また、医療機関にても、会話を必要最小限にすることや、医療機関での滞在時間を短縮すること、地域外から来た人との接触を極力減らすことが求められる状況にて、医療機関のスタッフや研究補助員との接触を伴う研究活動については慎重にならざるを得なかった。本研究のベースラインとするデータセットは本研究の開始前に構築されていたが、コロナ禍にて本研究にて目的に即した追加測定項目を取得する計画は大きな影響を受けることとなった。 令和4年5月に新型コロナ感染症が5類に移行するまで、本研究はベースラインデータの解析を中心に行った。中山間地域に居住する高齢者が出荷を目的とせず日常生活の一部として行う農作業の時間は、身体機能(歩行速度)ではなく認知機能(Mini Mental State Examination)と関連したことを報告した。農作業の強度は身体機能に応じて調整されていた可能性が示唆された。この点で、傾斜などの環境要因も同時に調整されている可能性も否定できない。また、日常生活の一部として行う農作業は、認知機能の維持に寄与するかもしれないと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は対象とした高齢者の畑を訪問し、会話を交わしながら測定を行ったり聞き取りを行ったりする調査項目が多い。研究対象者は慢性疾患を有する高齢者にて新型コロナ感染症の重症化ハイリスク者でもあり、新規感染者数が何度もピークを迎えるなかで研究活動を行うことは感染予防の観点から困難であったため。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年5月8日に新型コロナウイルス感染症が感染症法上5類に移行した後は、研究チームの複数府県にまたがるメンバーが研究実施地域での活動を再開した。令和6年度は、対象者が農作業を行っている畑を訪問して測定などの調査を行い、認知及び身体機能などとの関連を検討する。
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Causes of Carryover |
傾斜地の測定や、データ入力を行うための人件費などが必要なため。
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Research Products
(3 results)