2020 Fiscal Year Research-status Report
薬剤師の職能としての残薬調査および調整に関する取り組みについての解析
Project/Area Number |
20K10378
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
島添 隆雄 九州大学, 薬学研究院, 准教授 (10202110)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 大介 九州大学, 薬学研究院, 講師 (00403973)
川尻 雄大 九州大学, 薬学研究院, 助教 (30621685)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 節薬バッグ運動 / 残薬 / 麻薬 / 廃棄 |
Outline of Annual Research Achievements |
節薬バッグ運動は、2012年度に開始し、これまで福岡市薬剤師会と共同で研究を進めてきた。論文も英文も含み複数掲載されている。また、数々の寄稿依頼があり、執筆活動も行なってきた。これまでの研究成果について厚生労働省も評価し、平成28年度の診療報酬改定時には、残薬調整の見本として節薬バッグ運動の取り組みが厚生労働省のホームページにもアップされ、保険点数に追加された。今回の研究は、本運動を大分市薬剤師会ならびに東京都墨田区薬剤師会に拡大し、地域の比較などを行いながら、さらに進展させることを目的としている。また、これまでまったく明らかになっていない麻薬の廃棄状況を福岡市および熊本県で調査・解析する研究も行う。この2つの研究を行うことで、医療費の削減や適正処方へ繋げていくものである。 昨年度はコロナ禍で打ち合わせを行う時間が減少したものの、墨田区薬剤師会および大分市薬剤師会での節薬バッグ運動のデータを収集することができ、結果の解析を進めている。墨田区のデータは、これまでの福岡市の結果と比較した場合、処方期間が比較的長いこと、残薬金額が大きいことが明らかになってきており、地域差がある可能性が認められた。また、令和2年度のデータの収集も終了し、今後は大分市の結果の解析も進め、引き続き結果の地域差について検討を行っていく予定である。 また、福岡市における麻薬の廃棄書類を収集して、解析を行っている。昨年度は、MSコンチン 10mgの廃棄量がもっと多く、その量ならびに金額が予想以上に大きいことが明らかになった。熊本県におけるデータも現在解析中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍のなかで、対面での打ち合わせや経過報告が困難な中で、データ量としては若干減少したものの解析に大きな支障はなかった。引き続き、データの収集・解析を行うが、可能であれば対面での経過報告会や打ち合わせを行っていきたい。
|
Strategy for Future Research Activity |
節薬バッグ運動については、年度ごとに期間を絞って集中的にデータ収集を行い、地域間の比較を中心に解析を継続していく。また、麻薬の廃棄についても、引き続き熊本県および福岡市のデータを収集し、解析を進めていきたい。
|
Causes of Carryover |
コロナ禍のため、国際学会が1年延期となり、国内学会もWEB開催となったため、旅費支出がなくなった。次年度は、少なくとも国内学会は対面またはハイブリッド開催が予定されており、また打ち合わせおよび経過報告も行う予定であり、旅費出張は増加することが推測される。
|
Research Products
(2 results)