2021 Fiscal Year Research-status Report
若手看護師のためのインシデントのリスク要因自己診断ツールの開発
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20K10655
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
中村 美香 群馬大学, 大学院保健学研究科, 講師 (10644560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 浩子 群馬大学, 大学院保健学研究科, 教授 (40234950)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 看護師 / 医療安全 / 患者安全 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、2020年度に分析した予備調査の結果についての学会発表を行うとともに、ツールの枠組みを再検討するために、自身の予備的研究のデータの分析、文献検討を行った。 予備的研究の分析では、インシデント発生時の自身の状況を問う質問項目の主成分分析を行い、インシデント発生時の状況を構成する4つの主成分を抽出した。これらの主成分は、看護師の日常的な勤務中にける状況から抽出された主成分と類似しており、看護師経験年数別の主成分得点も同様の傾向にあった。4つの主成分はインシデントのリスク要因の枠組みとして活用可能である。また、看護師の日常的な勤務中の状況を把握することによって、インシデントのリスク要因の推測に活用できると考える。 文献検討では、医療安全に関する国内外の文献を精読し、インシデント発生のプロセスやリスク要因に関する枠組みを再検討した。インシデントのリスク要因として、誘発因子と行動因子に大別され、リスク要因は多岐に渡ることが明確になった。 予備的研究の分析および文献検討の結果により、インシデントのリスク要因の全てを網羅したツールを開発することは困難であることが予想されること、ツールの汎用性を考慮し、本研究ではインシデントのリスク要因のうち、若手看護師の特徴である職場環境の多忙さに焦点をあててツールを開発する方針とした。医療および他以外の分野の文献検索を行い、多忙さやその影響要因に関する先行研究を把握し、次年度の調査に向けて研究方法の検討、倫理審査申請書の作成、対象機関に研究協力の依頼を開始し、準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍の影響により調査協力機関との調整が困難であったためと、本務が多忙であり、研究計画を再考することが困難であったため、研究に遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度に調査、分析を行い、ツールを作成する予定である。
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Causes of Carryover |
2021年度は質問紙調査を行う予定であったが、実施できなかったため未使用額が生じた。 2022年度は質問紙調査の実施、分析を予定しているため、未使用額は、質問紙調査票の印刷・封筒・用紙の費用、データ入力を依頼する研究補助者への謝金、論文の翻訳および論文投稿に充てる予定である。
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