2023 Fiscal Year Annual Research Report
腰痛予防対策指針をふまえた看護基礎教育における移動技術教育プログラムの普及と実装
Project/Area Number |
20K10662
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Research Institution | Kanagawa University of Human Services |
Principal Investigator |
水戸 優子 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 教授 (70260776)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 直子 京都先端科学大学, 健康医療学部, 客員研究員 (80153881)
國澤 尚子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (20310625)
若村 智子 京都大学, 医学研究科, 教授 (40240452)
平田 美和 帝京大学, 医療技術学部, 講師 (10325988)
冨田川 智志 日本福祉大学, 健康科学部, 講師 (90441881)
首藤 英里香 札幌保健医療大学, 保健医療学部, 准教授 (90336412)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 腰痛予防 / 看護基礎教育 / 移動技術 / 移動用具 / ノーリフティング / 移乗用具 / 移動動作 / 普及 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、看護基礎教育において「職場における腰痛予防対策指針(以下、指針・2013年厚生労働省)に基づく移動技術教育プログラムの普及と実装を目的として実施した。 最終年である2023年度は、普及活動として1.【看護教員向け移動技術教育研修の実施と評価】ならびに2.【看護基礎教育での腰痛予防対策指針の周知状況と用具を用いた移動技術教育に関する実態調査による評価】に取り組んだ。 1については、日本看護技術学会学術集会時の交流セッションの企画運営ならびに看護教員向けの対面オンラインでのハイブリッド研修会を開催し、そこで「再考!用具を使って安全、安楽、自立を意識した移動介助の”きほん”」をテーマに講演と実技の研修を行った。交流セッションの参加者は32名、研修会は46名の参加があり、参加者アンケートの結果、研修会内容は評価が高かったが、病院での用具の普及が進んでおらず、教授内容の定着化に関する課題が指摘された。 2については、全国の看護基礎教育機関880施設の移動技術を担当する看護教員に調査票を送り、269件(30.6%)の回答を得た。分析方法は、単純集計と割合を算出したのち、2018年に我々が調査した結果と比較を行った。その結果、2018年では「指針を知っている」が45.8%であったのが、2023年では69.3%に上昇した。また、「ノーリフティング原則を知っている」が2018年では28.5%であったのが、2023年では68.5%まで上昇した。移動技術での用具使用の教授については、【ベッド水平移動技術】でのスライティングシートの使用・紹介の割合でみると、2018年は31.0%であったのが、2023年には50.6%に上昇した。ただし、その他の用具の使用・紹介状況は50%を超えず、未だ普及しているとは言えなかった。今後も看護教員向けの研修会を開催し普及活動を行う必要性が示唆された。
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