2021 Fiscal Year Research-status Report
居宅内歩行速度モニタリングによる歩行機能低下予測モデルの開発
Project/Area Number |
20K11159
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
浅川 康吉 東京都立大学, 人間健康科学研究科, 教授 (60231875)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 隆司 東京都立大学, 人間健康科学研究科, 教授 (70337989)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 歩行速度 / モニタリング / 在宅 / 高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は在宅生活場面の歩行速度データから歩行能力の低下や徒歩による外出の制約の発生を予測する評価法を開発する4年間の研究で、対象を独居高齢者としていることや、歩行速度データに生活歩行速度と名付けた居宅でいつも通りに暮らしているときの歩行速度を用いることに特徴がある研究である。 2年目となる本年度は適切な対象者を得るためのフィールドの構築を行った。独居高齢者を対象としていることや、データ収集において居宅にセンサーを設置したり、モニタリング期間中の生活行為について参与観察、面接調査などをしたりする場面が生じる本研究にとって、対面を避け、外出を自粛するといったコロナ禍の影響は大きく、このような研究へ協力可能な施設・機関を得ることは困難な状況であった。しかしながら、前年度(研究1年目)の成果を踏まえて生活歩行速度の測定ノウハウや得られたデータの活用方法について資料をまとめ、リハビリテーションや介護予防に関わる専門職への紹介などを重ねたところ、地域包括支援センターなどの理解を得て10名程度の対象者を得られるフィールドを構築できる見通しとなった。 本年度は既存データの再解析する準備も進めた。前年度(研究1年目)の検討から、今回のモニタリングシステムにおける生活歩行速度の検出可能な範囲が最低速度0.1m/s、最高速度1.5 m/sとすることが妥当と判断されたことを踏まえて、既存データのクリーニングをすすめたところ、生活歩行速度には季節間変動があることなどがより鮮明にとらえられる可能性が見いだされた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
独居高齢者に対する居宅訪問や外出状況に関する面接調査などが含まれる本研究にとってコロナ禍の影響は大きく、研究期間のほとんどを研究対象者を得る基盤となる研究フィールドの構築に費やすこととなった。このため当初に予定してた研究参加者の募集と先行事例を得ての生活歩行速度データの収集開始には至らなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
2022年度もコロナ禍は続いており、本研究が遅滞した理由は解消されないと思われる。しかしながら高齢者向けの介護予防事業などが再開され、コロナ禍のなかでの外出様式も定着してきた感がある。本研究においても時間はかかったものの2021年度末に研究フィールドを構築できる見込みが立ったことから、研究3年目となる2022年度は、研究参加者の募集を行い、本来、計画していた生活歩行速度データの蓄積を開始したいと考えている。コロナ禍にあっても研究参加者へ十分なフォローができる環境を整えながらのデータ収集となるため、少数例での開始にせざるを得ないが、並行して、2020年度に設定した生活歩行速度の抽出方法にそって既存データの再解析にも取り組みながら本研究を推進したいと考えている。
|
Causes of Carryover |
2021年度はコロナ禍による緊急事態宣言などの影響で、研究フィールドの構築に時間が費やされ、研究参加者を得てデータ収集を開始するまでに至らなかった。このため研究が遅滞し、次年度使用額が生じた。2021年度末に研究フィールドの構築に見通しがついたため、2022年度は研究の遅滞の解消に向けて次年度使用額を活用し、コロナ禍の状況を見極めながら研究参加者募集からデータの収集と蓄積へと研究を進める予定である。
|
Research Products
(1 results)