2022 Fiscal Year Research-status Report
オリンピアンの出征と戦争体験が戦後のスポーツ界の復興・再建過程に与えた影響
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20K11421
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
曾根 幹子 広島市立大学, 国際学部, 名誉教授 (00275398)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 戦没オリンピアン / 出征 / 戦争体験 / 帰還オリンピアン / 戦後のスポーツ界 / 復興・再建 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、コロナの影響で自粛していた国内の聞き取り調査や資料収集を精力的に実施した。また、確かな「戦没オリンピアン」の名簿作成と、申請者の研究論文の名簿の修正・追加に必要な情報収集のため、沖縄での現地調査を行った。伊江島の調査では「芳魂之塔」に刻まれた戦没オリンピアンの出身地の間違いが修正されており、伊江村役場の協力で遺族の所在を知る手がかりを得た。遺族からの兵籍簿の提供で、新たな戦没オリンピアン名簿などに関して雑誌に寄稿した。また出征後に帰還したオリンピアンの事例として、2人の遺族と会い、兵籍簿の申請を行って頂き、研究テーマにおける根拠を示すことができたので、論文として公表した。更に関西大学では、大島鎌吉氏の残した資料の閲覧が可能となり、大島氏がドイツに持参したドイツ語で記載した「戦没オリンピアン」名簿の原本を見つけることができた。これまで現物があるか否か確かではなかったので、この貴重な資料や国会図書館にも収蔵されていない非売品の著書を資料室で同時に閲覧することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
引続きコロナ禍にあったため、国外調査が全くできなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
制約なく海外調査ができるようになったので、今までできていなかった国外調査を中心に「戦没オリンピアン」の資料収集や追悼関連施設での聞き取り調査を実施する。今年度は研究計画に記載したフィンランドの「冬の戦争」で亡くなったオリンピアンの調査を実施し、またベルリン・スポーツ博物館への戦没オリンピアン名簿の提出や結果につなげたい。
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Causes of Carryover |
コロナ禍にあって計画していた国外調査が全くできなかったため。
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