2023 Fiscal Year Annual Research Report
審判員における心理診断システムの構築と有効性の評価
Project/Area Number |
20K11427
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
村上 貴聡 東京理科大学, 教養教育研究院神楽坂キャンパス教養部, 教授 (30363344)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立谷 泰久 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ医学・研究部, 先任研究員 (10392705)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 審判員 / 心理的スキル / 心理診断 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,審判員の心理面強化ならびにストレス対策を図るために、審判員特有の心理診断システムを構築し、その効果を検証することを目的としている。具体的には、審判員の心理面に焦点を当てた国内外の文献的研究を行い(研究1)、質問紙調査および面接調査を実施することによりフィードバックシートを作成する(研究2)。次に、審判員用のメンタルトレーニング教材を作成し、心理診断システムを開発する(研究3)。最後に、開発された心理診断システムを評価する(研究4)ことであった。 2023年度は研究3を中心に実施した。審判員用のメンタルトレーニング用教材を作成するための資料として、チーム種目における審判員の心理的スキルの特徴を検討した。対象者は野球の審判資格を有する81名であり、審判の平均経験年数は14.3年であった。これら調査対象者の審判資格は国際資格、1級、2級、3級と多岐にわたっていた。また、調査は村上ほか(2017)が作成した審判員の心理的スキルを測定するための24項目からなる尺度を用いて行った。野球審判員の心理的スキルの特徴を明らかにするために、審判の経験年数と資格レベル、そして心理的スキルの関連性について検討した。対象者を審判歴によって2群(10年以上群、10年未満群)に分類した。そして、審判員の心理的スキルの各因子に対する評価の差異を検討するため一元配置の分散分析を行った。その結果、自己コントロール、表出力、自信において有意差が認められ、審判歴10年以上の群が高い得点を示した。また、審判の資格レベルと心理的スキルとの間には全ての因子において有意差が認められなかった。 なお、2020年度から2022年度にかけて新型コロナウィルス感染症の影響により調査が滞ったことにより、心理診断システムの構築までは至らなかった。今後は、本研究で得られた知見を活かして、継続してシステムの構築を進めていく。
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Research Products
(3 results)