2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of the chrono-nutrition-based dietary guideline for night shift workers and its validation using working space interventions
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20K11559
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
永井 成美 兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (60364098)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂根 直樹 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 臨床研究企画運営部, 研究室長 (40335443)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 時間栄養学 / 夜間・交替制勤務 / 食生活 / 社員食堂 / 行動変容 / 介入研究 / 体内時計 / ガイドライン |
Outline of Annual Research Achievements |
24時間社会のインフラや産業活動を支える夜間・交替制勤務者では、実活動時間と体内時計のズレにより生活習慣病のリスクが高まることが知られている。そこで、夜間・交替制勤務者の健康リスクを軽減し得る食べ方や食事内容を時間栄養学の観点から提案し、その効果を明らかにすることを目的として、1) 勤務時間や食事時刻を考慮した食事ガイドや教材の開発、2) 事業所における介入研究による効果検証、の2つの研究を進めてきた。 研究1-2年目には、①国内外の文献収集と翻訳・夜間勤務や交替性勤務者のための食事ガイドライン案の作成、②時間栄養学勉強会開催と、事業所社員食堂受託会社との連携体制構築、③同勉強会メンバーとの、夜間・交替制勤務のある事業所社員食堂における喫食時間別メニュー選択調査・学会発表・論文投稿、④健診データ等による交替制勤務者の健康・栄養上 の課題抽出とデータ解析、⑤体内時計を整えるためのアプリ開発準備、⑥開発したレシピやルールの効果を研究室での摂食試験で実験的に検証、⑦介入に向けた基礎研究(クロノタイプと実生活のマッチ・ミスマッチが体組成に及ぼす影響)を行った。 実績として、①食事ガイドライン案の公表(研究室ホームページにおける公開, https://www.u-hyogo.ac.jp/shse/narumi/time_nutrition.html )、②時間栄養学勉強会開催(年間10回)、③社員食堂における喫食調査結果の公表(栄養学雑誌 2022)、④健診データによる交替制勤務の健康リスク解析・報告書作成、およびデータ提供事業所関係者とのオンラインミーティング実施(1回)、⑤体内時計を整えるスマートフォンアプリのプロトタイプ開発(次年度に継続)、⑥クロスオーバーデザインによる摂食試験を完了、⑦研究成果公表(Chronobiol Int 2022)が挙げられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画(5つのプロジェクト)よりも多い、概要に記載した7つのプロジェクトが進展し、研究成果として論文2報も出ており、計画よりも順調に進展していると言える。一方で、新型コロナウイルス感染症拡大による影響を受けて、研究期間中に学生の登校や実験の自粛期間があったため、実験や介入の規模や方法の見直しを余儀なくされた。具体的には、摂食試験では、感染対策のため1日に1名しか実験できず(飲食を伴うため)、小規模(14名のクロスオーバー試験)での実施となった。また、協力事業所では、ワクチンの職場接種等で健診部門が多忙になったり、外部者の訪問が困難な状態が現在も続いており、介入の規模や方法の見直しも必要となっている。以上の理由から、「おおむね順調」を選択した。
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Strategy for Future Research Activity |
1-2年目は、当初の研究計画どおり順調に進んだが、新型コロナウイルス感染症の収束が見通せないため、事業所における介入研究を、最終年度に計画通りの規模で行えるかどうかの見通しが立っていない。 計画書では、3年目の介入試験は、「スマートフォンアプリと社員食堂でのメニュー選択アシストを連動させる試み」としていたが、上記進捗状況に記載した理由から、事業所(企業)の協力を得ることが非常に困難になっている。 そのため、スマートフォンアプリ開発に関しては、プロトタイプを完成させ、心身の健康状態やプレゼンティーイズムなどに及ぼす効果を、大学生対象の無作為比較試験(RCT)により検証する方法をとることとし、本学研究倫理委員会の承認を得た。また、交替制勤務者が利用する社員食堂における介入は、「夜遅い利用時間によりヘルシーメニューを選択する」行動変容を目的とした介入試験に変更して行うよう、計画内容を一部変更して行うこととした。 最終年度には、以上の介入を実施するとともに、研究成果として論文公表やガイドラインやレシピの公表を行い、広く研究成果を還元することを目指す。
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Causes of Carryover |
当該年度において、新型コロナウイルス感染症の影響があり、繰越が発生した。 次年度の使用計画について、論文校正費、論文投稿費用及び使用予定であった物品の購入(PC等)を予定している。
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Remarks |
(1)研究室で作成したホームページ(大学サーバー上)に、2022年3月に「時間栄養学」のページを追加。交替勤務(シフトワーク)・夜勤の方、夜遅く食べる方への食事のアドバイス、朝食の整えかた・おすすめレシピを掲載したもので、随時、更新している。 (2)研究者と学生・院生で執筆した、時間栄養学(研究内容や成果も含む)に関する情報のページ。一般向けにわかりやすい記事とレシピを掲載している。
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Research Products
(5 results)