2020 Fiscal Year Research-status Report
抗筋萎縮フラボノイドによって向上する骨格筋の機能とその調節機構の解明
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20K11581
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
向井 理恵 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(生物資源産業学域), 准教授 (90547978)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | フラボノイド / 代謝向上 / 酸化ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度はマウスに8-プレニルナリンゲニンを混合したAIN93Mを与えた。この試験では正常食と高脂肪食(ラード20%置換)を基礎配合とした。数週間の摂取を行ったところ、8-プレニルナリンゲニンの添加量に応じて高脂肪食による体重増加を抑制する傾向が認められた。また、全身の代謝を測定したところ、普通食においても高脂肪食においても8-プレニルナリンゲニンが代謝を向上させることを突き止めた。運動量や呼吸商には影響を及ぼさなかった。また、非活動期である明期で代謝向上効果が顕著であったことから、基礎代謝の向上が推察された。解剖時に得られた骨格筋を用いてメタボローム解析を実施した。脂質代謝やアミノ酸代謝に関連した代謝物に変化はなかったが、酸化型ならびに還元型グルタチオンの量が高脂肪食で変化した。また、8-プレニルナリンゲニン摂取群では、その変化を抑制した。このことから、8-プレニルナリンゲニは、骨格筋において酸化ストレス抵抗性を付与していることが推察された。抗酸化性に関連した遺伝子について、リアルタイムPCRで解析したところ、グルタチオンの酸化還元に関わるグルタチオンペルオキシダーゼと、グルタチオンレダクターゼに8-プレニルナリンゲニンの影響が認められた。生体内抗酸化酵素の解析結果では、カタラーゼの発現量に8-プレニルナリンゲニンが抑制効果を示すことを明らかにした。骨格筋でのPGC1αや、その他、代謝に関連する遺伝子発現についても、リアルタイムPCRを行った。ヒラメ筋、腓腹筋、長趾伸筋を用いて解析したが、8-プレニルナリンゲニンの影響は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度に計画していた内容はおおむね終了した。視床下部を用いた検討は、計画書に書かれた項目を測定できていないが、サンプルが少なく貴重なため、時期を遅らせて検討するほうが賢明であると判断したためである。学内への立ち入り禁止措置があった影響で、実験担当者が研究を実施できず、単回投与実験は行えなかったが、これについては、2021年度に実施予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は動物実験の予備検討を計画しているが、昨年度の研究の積み残しがあるため、研究時期は遅らせることとなる。特に、動物飼育は予定通り遂行できない可能性があるため、昨年度に取得したサンプルを有効活用することで、8-プレニルナリンゲニンの作用メカニズムの解析が進むように実施する。
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Causes of Carryover |
理由:マウス、TORAST Vial インサート、TORAST 9-425 青キャップ、UF 酢酸、カスタムDNA合成、フラットファイルV、ファイルボックス、没食子酸一水和物、InertSep C8 200mg/3mL 50/pk、フローター UTO-015、定性ろ紙 No.1 90mmが3月に納品となり、支払が完了していないため。 使用計画:上記の支払いが4月に完了する予定である。
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Research Products
(1 results)