2020 Fiscal Year Research-status Report
抗酸化作用を介した膵内外分泌から紐解く食品含有1,5-AGの生理機能
Project/Area Number |
20K11629
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
大内 基司 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (20409155)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 慶太郎 明海大学, 歯学部, 准教授 (10549041)
森田 亜州華 獨協医科大学, 医学部, 助教 (30780902)
安西 尚彦 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (70276054)
本間 知夫 前橋工科大学, 工学部, 教授 (80242246)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 1,5-アンヒドログルシトール / 抗酸化作用 / インスリン分泌 |
Outline of Annual Research Achievements |
1,5-アンヒドログルシトール (1,5-AG) は糖アルコールの一つで、糖尿病の血糖コントロール指標として用いられる。最近、1,5-AGが加齢・老化に関わる代謝物の一つではないかと議論されている。しかし、体内における1,5-AGの作用そのものについては明らかではない。本研究では、1,5-AGの抗酸化作用を介したインスリン分泌制御機構への影響と膵外分泌に対する影響を検討する。 2020年度では、1,5-AGのインスリン分泌誘導の有無を検討するため、ラット摘出膵のオルガンバス (ex vivo) 実験系を用いて1,5-AG添加により摘出膵臓からバス内にインスリンが分泌されるか検討した。さらに膵β細胞培養細胞株であるラットインスリノーマ細胞 INS-1E細胞でも、1,5-AG添加によるインスリン分泌の有無を検討した。両実験系において、1,5-AG単独では明らかなインスリン分泌誘導は認めなかった。 また、1,5-AGの酸化度・抗酸化力を確認するため、まず1,5-AG水溶液中の酸化度をReactive oxygen metabolites (d-ROMs) テストにて、抗酸化力をBiological antioxidant potential (BAP) テストにて検討した。1,5-AG水溶液の酸化度測定のd-ROMsテストでは、評価可能な数値を得られなかった。一方BAPテストでは、評価可能な数値を得られたものの水溶液中1,5-AG濃度に依存的な変化を認めなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ラット摘出膵のex vivo実験と、膵β細胞培養細胞株であるラットインスリノーマ細胞 INS-1E細胞を用いた実験との異なる実験系において、1,5-AG添加によるインスリン分泌誘導の有無を検討できたため。また抗酸化力について、当初予定していた足掛かりとなる検討もできたため。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、ラット摘出膵のex vivo実験を用い1,5-AGによる膵外分泌への影響を軸に検討し、摘出膵からのアミラーゼ分泌等を評価する。1,5-AGを含む栄養液でインキュベーションした膵臓に対し病理学的な変化を検討し、傷害程度なども評価する。また、酸化ストレスとの関連性も併せて検討する。
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Causes of Carryover |
当初予定していた実験計画より若干の遅延が起きたものと、順調に行えたものが混在する。実験の実施に伴い、次年度使用と合わせて使用予定である。
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