2020 Fiscal Year Research-status Report
運用環境を対象にしたアプリケーションサービスの障害原因箇所特定と修復に関する研究
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20K11758
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
名倉 正剛 南山大学, 理工学部, 准教授 (70457141)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 眞吾 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (60273843)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 保守開発 / 障害原因箇所特定 / 変更箇所推定 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度の実施内容として当初予定していた実施計画に沿って,まず運用環境で発生した障害に関する原因箇所特定技術の提案を行った.本補助事業開始以前に,Spectrum-Based Fault Localization に対する精度向上に関する研究を実施していたが,今年度はそれを発展させ,運用環境のログに対して Spectrum-Based Fault Localization を実施する方法を検討した.この検討成果については,第27回 ソフトウェア工学の基礎ワークショップ(FOSE2020)で発表した. また前年度から引き続き,運用環境に対して悪影響を及ぼすソフトウェア変更の特定に取り組んでおり,これは本補助事業における特定した原因箇所に対するプログラム修復技術に応用する予定である.今年度は,どのような特徴を持つソフトウェアコードが修復される傾向が強いかを,既存の多数のソフトウェアプロジェクトを解析し明らかにした.その成果をソフトウェアエンジニアリングシンポジウム2020(SES2020)と FOSE2020 で発表した.さらにプログラム修復の際に,修復すべきソフトウェアの箇所を特定するために,既存ソフトウェアに対して実装が欠落している部分を推定する手法を確立し,その成果を日本ソフトウェア科学会論文誌「コンピュータソフトウェア」に投稿し,採録が決定した.この成果については令和3年度に刊行予定(令和3年4月に発行予定)であるので,次年度に報告する予定である. またプログラム修復の際に修復が行われたことを確認するためのテストの方法として,修復漏れの箇所を発見する能力を向上させることのできる手法を提案し,情報処理学会第83回全国大会で発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
補助事業開始時点で,令和2年度の研究予定については次の項目を実施することを想定していた. ・運用環境で発生した障害に関する原因箇所特定技術の確立 当該項目については,基本方式の検討は終了しており,その成果を発表した.なお詳細の実装は実施中である.また当初予定にはなかったが,後の年度で実施することを想定していた次の項目についてその一部を推進した. ・特定した原因箇所に対するプログラム修復技術の確立 これについては,実装が欠落している(修復すべき)プログラム箇所を特定し,どの実装を追加すべきか(修復すべき実装はどのような実装か)を,既存プロジェクトを分析した結果を利用して提示する方法である.後の年度で実施する項目について先に推進した理由は,障害を発生する状況は,例外を処理するプログラムの実装の欠落であることが多く,欠落している箇所を先に修復することにより,障害の発生前にあらかじめその要因を取り除くことが可能であると考えたからである. このように,令和2年度の研究予定については推進中であるものの,後の年度の内容を前倒しして実施しており,「おおむね順調に進展している。」と考える.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の予定は,申請時に記入した内容のうち,次の2点である. ・原因箇所特定技術の確立:令和2年度に提案した方式の詳細を実装し,実現可能性を確認する. ・プログラム修復技術の確立:実装が欠落した部分についての修復方式は令和2年度に確立したが,テストケースベースで Program Repair 手法によって修復する方法について検討する.
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Causes of Carryover |
当初購入を予定していた計算機器が,新型コロナウィルスの影響で部品調達が遅れ,年度内に間に合わなくなったことと,同じく新型コロナウィルスの影響で参加を予定していた学会がオンライン開催になったことによる. 計算機器については次年度の早いうちに納入し,参加予定学会については次年度以降出張可能になった段階で,成果発表のために参加する予定である.
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Research Products
(4 results)