2020 Fiscal Year Research-status Report
ブロックチェーンにおける高性能画像解析を用いた自動運転支援システムの開発
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20K11790
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
宋 天 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 准教授 (10380130)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島本 隆 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 教授 (20170962)
片山 貴文 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 助教 (70848522)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | VVC / Blockchain / 自動運転 / 画像認識 |
Outline of Annual Research Achievements |
次世代の自動運転の実用化に向け、多くの研究者が様々の技術を集結してその可能性を探っている。しかし、自動運転車に多数の高性能センサーを装着して数年をかけて学習を繰り返しても実用化まで達していない現実がある。車両単体が複雑多様な環境を正しく認識することが極めて困難であるため、様々な定置センサーを活用した情報共有システムが有効である。従って、最先端の情報、通信技術を総合的に利用し、自動運転の実現に向けた新たなフレームワークの開発が急務となる。本研究は、5G環境における自動運転を支援するための高安全性フレームワークを提案し、信号機に装備した高機能イメージセンサーを用いた画像解析システムを開発し、自動運転車両を支援する。 実績としては、予定していたブロックチェーンの導入や、その導入に関するセキュリティ関連の問題は解決した。また、認識用のシステムを構築し、様々なシミュレーションを行なった。遷移学習の導入により性能の向上を検証するために実データの採取ができなかったが、研究室で実施できる内容を検討し、実装した。様々な検討を続け、新しい提案を検証している。提案手法と他の提案を比べても優れている手法を採用し、他の良い手法も取り入れることを考えている。 また、研究成果を研究論文にまとめ、複数発表した。特に、IEEE Internet of Things Journalに掲載された論文が、この研究で得られた成果をまとめ、その新規性と有効性を高く評価された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
提案システムにおける情報通信では、複数のチャンネルにおけるリアルタイムの動画像通信を保証する必要がある。5Gの環境では、通信速度が著しく高速になるが、膨大な動画像コンテンツを交差点に設置した基地局と付近の車両に転送する必要があり、その映像の保存、転送、解析のすべてが高圧縮率の映像符号化技術に頼る。また、ブロックチェーンにおける膨大な演算処理を削減するためにも、ビデオコンテンツの圧縮が必須となる。本研究で考案したシステムには、次世代の動画像符号化標準VVCをベースに、過去の研究成果を踏まえ、高い圧縮効率を実現する。本研究は、交差点の映像に背景の不変性が高く、動きのあるオブジェクトの範囲と大きさが容易に予測できる独特な特徴を利用し、VVCのアルゴリズムとCNNによる画像認識を有機的に融合したフレームワークを提案した。 概ね当時の予定通りに実施してきたが、やや遅れている。予定していたブロックチェーンの導入や、その導入に関するセキュリティ関連の問題は解決した。遷移学習の性能を検証するために実データの採取が必要になるが、学生の登校制限や、戸外作業の不便により、初年度に予定していたデータ収集作業はほとんどできなかったため、主に研究室での研究を行なってきた。それでも、豊富なアイディアから新しいアルゴリズムの検討を続けながら、この分野の新しい提案を吸収しながら優れたアルゴリズムを検証している。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目は、可能な限りデータ採取作業を行う予定である。交差点に定置しているカメラを使用し、対象となる人物や車両の認識精度が不足している原因を分析した結果により、目標オブジェクトの深度情報の推定精度を向上する。特に、映像のみでは天候の変化に弱く、正しく認識できない場合が多い。本研究の先行研究では、遷移学習を用いて各種天候条件の画像を適切に学習することにより、認識性能を大幅に向上した。しかし、距離の遠いオブジェクトに対する認識精度が改善されなかった。本研究が想定したカメラは交差点に定置しているため、背景となる固定物が多く存在している。背景となるオブジェクトの位置と距離を先に推定し、車両と歩行者と背景の相対距離を推定することにより、距離の推定精度を向上できる。また、最近のLIDARの小型化が進み、急激に安くなった。本研究は、LIDARにより測定された距離情報も用いて更に距離の精度を向上する。 提案システムにブロックチェーンの導入によりセキュリティを確保できたが、動画像データの全てに対してHash演算処理を行い、膨大な演算量が必要となる。本研究は、安全性能を確保しながら、一部のフレームのみに対してHash演算を行うことにより演算量を大幅削減する。具体的に、動画像の中にIフレーム(画面間予測を行わないフレーム)のみに対しHash演算を行うが、そのIフレームが固有の統計情報より導いた結果から次の対象フレームを決定するアルゴリズムを提案する。 また、他の研究チームの研究成果を応用した場合、もっと高い性能を達成できると考え、他のアルゴリズムを取り入れ、検証を行う予定である。
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Causes of Carryover |
初年度に予定されているデータの採取ができなかった。 そのために設備の購入と学生の謝金を控えましたが、次年度に実施する予定である。
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Research Products
(9 results)