2021 Fiscal Year Research-status Report
北海道ガーデンツーリズムに関する研究ー英国との比較から
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20K12421
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田代 亜紀子 北海道大学, メディア・コミュニケーション研究院, 准教授 (50443148)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ガーデンツーリズム / 北海道 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、北海道におけるガーデンツーリズムを対象として、観光学の立場から庭園の在り方(形態・機能・所有管理等)と観光の相関性を考察することを目的とする。このため、前年度は北海道内のガーデン全体を対象に悉皆調査をしてきたが、令和3年度は、滝上町、上川町、旭川市に焦点を絞り、特に滝上町の陽殖園におけるリピーターに注目して調査をおこなった。
新型コロナの影響により、引き続き海外研究者の招聘を控えているため、道内のガーデン調査を集中して行った。具体的には、前年度に引き続き継続調査として、滝上町の陽殖園、旭川上野ファーム、上川町の大雪森のガーデンでの調査をおこなった。特に、陽殖園は、9月~10月にかけて集中的に訪問し、観光客行動の観察をおこなった。海外からの招聘は新型コロナの影響でできなかったが、本学に滞在している観光学のEmilie Crossley博士に同行いただき、滝上町の陽殖園、大雪森のガーデンをはじめとした庭園を調査することで、自然景観と庭園の関係性について議論を深めることができた。さらにCrossley博士はキツネを対象としたツーリズムを研究しているため、キツネなどの野生動物と庭園、観光客の関係性について議論をおこなう良い機会となった。
また、これまでの研究において収集してきた英国における歴史庭園に関するパンフレットをはじめとする資料を精査した。特に、先行研究として重要なJournal of Garden Historyの主要論文をまとめていくことで、本研究の位置づけを整理した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
招へいはできていないものの、本学に滞在している(日本学術振興会外国人研究者)Emilie Crossley博士の協力により、興味深い議論が可能となった。また、イギリスの研究者ともZOOMなどのオンラインツールで意見交換することにより、研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度は最終年度として位置付けられているため、論文の執筆に集中すると同時に、国内研究会を開催する予定である。また、論文執筆と同時に、これまで調査できなかった季節を意識しながら庭調査にあて、観光客の違いに注目したい。引き続き、新型コロナの状況をみながら、海外研究者の招へい可能性も検討していきたいが、北海道においては庭の開園が夏の時期に限られているため、まだ招へいについては未定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナの影響により、海外研究者の招へいを見合わせたため、使用額の繰越が生じた。使用計画としては、令和4年度も新型コロナの状況をみながら、海外(イギリス)の研究者の招へいを試みると同時に、国内の庭園研究者を北海道に招へいして現地調査を実施すると同時に、国内研究会を開催する予定である。
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