2021 Fiscal Year Research-status Report
セクハラ・性暴力問題の女性のエンパワーメントによる解決のための比較社会学的研究
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20K12460
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
牟田 和恵 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (80201804)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 性暴力 / フェミニズム / 女性のエンパワーメント / セクハラ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、初年度の2020年にサバーティカルが得られることを生かして、韓国での長期現地調査を行う予定であったが、コロナ禍により断念せざるを得ず、2021年度はコロナの状況も継続した上に長期調査のための時間をとることが不可能であった。そのため、21年度は、20年度に続き、文献 およびインターネット上での韓国の近年の女性運動に関する情報の収集に努めたが、比較社会学的に性暴力に抗するための女性のエンパワーメントというテーマをより広く設定することとし、韓国に限定することからいったん離れることとした。そして定年退職を機として2022年3月よりイギリス・スコットランドのグラスゴーカレドニアン大学に客員教授として滞在することを生かし、現在、スコットランドではトランスジェンダーの権利を拡張する法整備が進んでいることから、女性の性的安全という観点からその進行状況や問題を調査研究することとした。 なお、2021年度後半には、性暴力やセクシュアル・ハラスメント、オルタナティブな家族のありかたに注目した論文集『フェミニズム・ジェンダー研究の挑戦:オルタナティブな社会の構想』(牟田和恵編著、松香堂書店)の刊行を企画準備し、22年5月に電子書籍として刊行の見通しである。同書は、自分自身の論稿に加え若手フェミニズム・ジェンダー研究者の論稿を編んだもので、全体として、セクシュアリティの抑圧や性暴力を根底から問うことにより女性のエンパワーメントを図ることを論じたものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍で初年度(2020年度)に予定していたソウル調査を断念せざるを得ず、2020年および2021年度は文献およびオンライン上での情報収集に努めた。その点では研究の進展は遅れているが、他方、この期間を活用して、性暴力やセクシュアルハラスメントの問題に焦点を当てた論文集『フェミニズム・ジェンダー研究の挑戦:オルタナティブな社会の構想』の刊行準備を行うことができたので、全体としておおむね順調、とした。
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Strategy for Future Research Activity |
イギリス調査の機会を得たので、本研究課題のテーマである比較社会学的視点をさらに生かせるよう研究の方向性を広げていく。
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Causes of Carryover |
韓国調査を断念したため。代わって、研究成果として電子書籍の出版を準備中で2022年5月刊行予定であるので、その費用とする。
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Research Products
(3 results)