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2020 Fiscal Year Research-status Report

流体計算によらないインタラクティブな流れ模様の生成技法

Research Project

Project/Area Number 20K12534
Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

鶴野 玲治  九州大学, 芸術工学研究院, 教授 (10197775)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywordsビジュアルシミュレーション / 流体近似
Outline of Annual Research Achievements

コンピュータグラフィックス映像生成のために最適化された安定性の高い既存の流体シミュレーション手法は、美しくリアルな視覚結果をもたらすが、それらは特定の物理的条件を満たすように作られており、幾何学的な特徴が不鮮明であったり、自然界では正しくない形状の視覚結果を出力することがある。これを解決するために、流体シミュレーションを幾何学的計算によって近似するという考え方に基づく方法を試行している。適切な近似方法をさぐり適用することによって、流体方程式を解くような反復計算をともなわない少ない計算量によって視覚的・幾何学的に自然で滑らかな流体の動きを得ることを目的にしている。
2020年度はシミュレーション計算によって得られた流体の渦場を局所的に二次形式の関数で近似するための手法を2 種類提案し、その二次形式の係数を利用して、渦場の様々な幾何学特徴を抽出する手法を提案した。これにより、流体内の1 点の近傍が、二次形式の幾何学(楕円、放物線、双曲線) のうちどの幾何学構造を示しているかを判別(セグメンテーション)でき、それが楕円として判別できれば、渦の形状と相性の良い特徴(楕円の中心位置、縦横比など) を抽出できることを示した。また、その幾何学特徴が、流体の物理的特徴とどのように関係するかも調査し、楕円なら渦の中心付近が、放物線または双曲線は流れのひずみが関連性が高いことを示した。さらに、抽出した幾何学的特徴を応用し、流体の渦のディテールを上げる既存手法を修正し、よりリアルで幾何学的整合性が良い渦場を作ることに成功した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究の当初の目的をある程度達成し、査読付きシンポジウムでの発表を行った。ジャーナル論文への推薦を得ることができたため、現在、投稿中である。

Strategy for Future Research Activity

セグメンテーション結果や応用例から、テイラー展開が微細な幾何学特徴を抽出し、シミュレーションのディテールを上げるのに向いているのに対し、最小二乗法は大まかな幾何学特徴を抽出するため、渦場全体の幾何学構造を調べるのに向いていることが分かった。現時点で流体の幾何学的特徴と物理的特徴を関連づけることに成功できており、流体の流れを幾何学的にモデル化する可能性を示せたものと言える。このことから外因的な情報を頼りに流れがモデル化された場合でも物理的な正当性を示すことができれば流れのモデルとして有効であるといえる。また逆に、物理的に正しい流れに含まれる幾何学的な性質が導き出されれば、その幾何学構造を直接モデリングすることで、流れを物理的に導出するよりも計算時間が短くなることが考えられる。これらの例をより広く探り実証していくことが今後の課題のひとつであると考えられる。また、本研究の手法には制限があり、テイラー展開では渦が一方向に引き伸ばされたときに、最小二乗法では渦場の幾何学スケールが検査領域よりも大きくなりすぎたときに正しい特徴抽出が行えないため、状況に応じて手法を使い分ける必要がある。また、A = ∇2A-AL- 12∇(LTb)が必ずしも0 にはならないため、係数A で示される幾何学情報は移流される間に保存されるとは限らない。移流による幾何学情報の保存は、幾何学情報がどこかへ逃げることが起こらないということを保証するため、重要な概念である。したがって、これらを考慮する場合は、二次形式係数とは異なる幾何学情報量を定義する必要がある。

Causes of Carryover

新型コロナウイルス感染拡大のため、研究推進等は主に自宅で行った。そのため科研費の物品費などを使用することができず、研究推進のために必要な環境や物品は私費で整えた。また、国内外の学会やシンポジウムなどがすべてオンラインに変更されて開催されたため、旅費などが不要になった。2020年度はこのような特殊な事情で科研費のその他の経費も使用することができず、すべて翌年に繰り越しすることになった。

  • Research Products

    (1 results)

All 2020

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 局所二次形式近似による2 次元CG流体渦場の幾何学特徴の抽出2020

    • Author(s)
      丸山哲、鶴野玲治
    • Organizer
      第28回Visual Computing (VC2020)

URL: 

Published: 2021-12-27  

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