2023 Fiscal Year Research-status Report
The meaning of Kant's theory of race in early modern and today
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20K12783
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
李 明哲 神戸大学, 人文学研究科, 人文学研究科研究員 (00758485)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | カント地理学 / カント人間学 / 18世紀の博物学 / 人種概念 / 目的論的判断力 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.月一の例会を開催しているカント研究会から、カント生誕300周年記念刊『現代カント研究 16 同時代ドイツ思想との対峙』(晃洋書房)を2024年秋出版予定。執筆者同士でオンライン検討会を重ね、報告者は「カント人間学講義における「生理学人間知」の役割-カントのプラトナー批判を手引きにして-」を執筆し、4月例会で査読を通過。18世紀の医学・生理学的な脈絡において、カントが自らの実用的な人間学をいかに位置づけたかを考察した。 2.日本カント協会第48回大会(2023年11月 於群馬大学)での共同討議に登壇者として参加。テーマは「自然地理学をどう読むか」であり、報告者は「理性批判の地理学モデル -カント自然地理学における「認識の拡張」-」というテーマで発表。質疑応答では、地理学講義学生ノートの使用価値や、地理学講義でも多く語られるカント人種概念と、どう向き合うべきかなどの質問がなされた。2024年2月末には、オンライン機関誌『日本カント研究』に報告論文を提出した。 3.2024年2月11日から14日までドイツ・ハレ大学で開催されたシンポジウム “Forms of Rationality -Kant and Modernity”(「合理性の形式―カントと近代」)に参加した。私は “The Role of ‘the Specific Form’ of Nature in Teleological Judgement”というテーマで英語による発表をおこなった。『判断力批判』における自然の「種別的形式」という概念が、カントの繁殖・発生に関する議論、および人種概念に関する議論に関連することを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
カント人種論に対する18世紀博物学の影響に関して、ビュフォンやブルーメンバッハ、プラトナーなどとカントとの関係はある程度明らかになったものの、議論の射程が人種概念を超えて発生論や「自然史」概念に及ぶ見通しが出てきた。それゆえこの問題は別の研究課題に接続させることとした。このような整理および別課題構想との兼ね合いのため、本研究課題で最後に取り組む予定であった、現代の視点からの考察が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
カント人種論の考察を踏まえて、近代から現代にかけての社会的構築物としての「人種」概念の使用を分析することは、「人種」概念に関する反人種差別的な文脈において、どのような現代的意義を持つのかを考察する。
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Causes of Carryover |
カント人種論に対する18世紀博物学の影響に関して、ある程度明らかになったものの、議論の射程が人種概念を超えて発生論や「自然史」概念に及ぶ見通しが出てきた。それゆえこの問題は別の研究課題に接続させることとした。このような整理および別課題構想との兼ね合いのため、本研究課題で最後に取り組む予定であった、現代の視点からの考察が遅れている。年度内での論文執筆ないし学会発表を目標に、人種関連の図書購入が主な使途となる。
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Research Products
(2 results)