2021 Fiscal Year Research-status Report
ポップカルチャーを中心とした天皇・皇族・皇室表象の研究
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20K12824
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
茂木 謙之介 東北大学, 文学研究科, 准教授 (00825549)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 天皇 / 皇族 / ポップカルチャー / 表象 / ナショナリズム / スピリチュアリティ / オカルト |
Outline of Annual Research Achievements |
戦後から現代の天皇・皇族・皇室の表象について、特にポップカルチャーにおけるイメージを中心的に検討し、その様相を明らかにすることを通して従来の近現代天皇制研究を刷新することを目的とする本研究にとって、本年度は以下の研究遂行を目指していた。 ①1年目に引き続き、戦後以降の天皇・皇族・皇室表象の抽出・データベース化をにおいて遂行する。/②アニメや映画などの映像資料についても、主に国立映画アーカイブを利用し、閲覧する。これも書誌的データは戦後天皇・皇族・皇室表象として目録化しWebページで公開する。/③コンテンツ文化史研究会、表象文化論学会、マス・コミュニケーション学会、メディア史研究会などでの中間的な研究成果報告を行い、議論の中で研究のシェイプアップを図る。 このうち①②は新型コロナウィルス感染症の流行状況のため、十分には行えなかったが、その代わり③研究成果として共編著書籍『〈怪異〉とナショナリズム』(青弓社、2021)を得ることができた。同書においては、これまでにポップカルチャーと隣接しつつ展開してきた近現代における〈怪異〉に注目し、その研究動向をまとめるとともに、ナショナリズム研究の動向を整理し、それらの隣接を論じることの意味を述べるとともに、雑誌『ムー』における天皇表象を分析し、1980年代を中心としたポップカルチャー・スピリチュアリティ・オカルトとナショナリズムの関係性の一端を明らかにした。また、メディア研究と言説分析の方法論を先鋭化するため、雑誌『幻想文学』と歌人・評論家である須永朝彦との関係を論じた「須永朝彦と雑誌『幻想文学』」(『ユリイカ』2021年10月臨時増刊号)も得ることができ、方法論の補強を行うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度に予定していた、北海道立図書館、国立国会図書館、日本近代文学館、明治大学現代マンガ図書館、米沢嘉博記念図書館、京都国際マンガミュージアム、大宅壮一文庫、国立映画アーカイブへの資料調査については、新型コロナウイルス感染症の流行状況につき、十分に果たす事は出来なかったが、その代替としてWebを通じた資料収集をすすめ、これまでに注目されてこなかった種々のテクストのリスト化が進捗しつつある。また、成果報告としても共編著書籍を得ることができたため、ある程度順調な進捗となったものと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルス感染症の流行状況を見極めつつ、資料調査を充実させるとともに、さらなる成果報告を継続的に行いたい。
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Causes of Carryover |
謝金について、若干の超過がございました。来年度以降は特段謝金業務予定はありませんので、調整できるかと存じます。
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Research Products
(5 results)