2022 Fiscal Year Research-status Report
ポップカルチャーを中心とした天皇・皇族・皇室表象の研究
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20K12824
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
茂木 謙之介 東北大学, 文学研究科, 准教授 (00825549)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 天皇 / 皇族 / 皇室 / 表象 / ポップカルチャー / ジェンダー / SNS |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はポップカルチャーにおける天皇・皇族・皇室像に関して継続的な調査・分析および成果報告を行った。 まず、調査の点では国立国会図書館を中心とした資料調査や直接資料を入手することによってその厚みを増すことが出来た。特に1980年代以降の雑誌資料については規模の大きい資料体作成の可能性を見出すことができた。なお、調査の過程でスピリチュアルな天皇像の展開との接続にも気づくことが出来、それに関する調査も各所において実施した。 次に成果報告に関しては、単著1、口頭報告3を得ることが出来た。単著『SNS天皇論 ポップカルチャー=スピリチュアリティと現代日本』(講談社選書メチエ、2022)においては、ポップカルチャーを消費する皇室と、皇室を消費するポップカルチャーの双方について分析を行い、現代文化における皇室とポップカルチャーの関連についての見取り図を示した。特に皇室によるポップカルチャーにおいては、従来確認されてきたハイカルチャーに承認を与える主体としての皇室のあり方の再演が確認され、逆にポップカルチャーにおける皇室消費においては皇室からの言説を補強・補完するようなものが確認できる一方で、問題提起的なものもの見出すことができた。今後の皇室イメージを占ううえで興味深いサンプルといえよう。また、口頭報告においては、ポップカルチャーのなかにも浮上してくるスピリチュアルな天皇像について分析を行った。 来年度以降これらの成果を踏まえたさらなる調査・分析・成果報告を期している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査分析が順調に進み、単著1、口頭報告3を得ることが出来たため。
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Strategy for Future Research Activity |
課題に内在する様々な可能性に気づくことが出来たため、今後さらなるリサーチを遂行するとともに成果報告を積み重ねたい。
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Causes of Carryover |
書籍の購入計画に時間差が生じ、若干の次年度使用額が出てしまいました。購入予定のある書籍に宛てたいと思います。
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Research Products
(5 results)