2021 Fiscal Year Research-status Report
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20K13050
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
蛭沼 芽衣 九州大学, 人文科学研究院, 助教 (20807177)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 訓点資料 / データベース |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、訓点資料本文データベースを作成するためのシステムおよび、検索システムを構築していくことである。本年度は主に、入力システムの見直しを行った。 データベースの作成にはMicrosoft Excelのマクロを使用している。多くのパソコンで利用でき、また、csv形式で保存することで、他のプログラミング言語のデータとしても使用することができるからである。本来であればこれを使用して実際にデータベースの作成にとりかかる予定であったが、新型コロナ感染症などの影響もあり、データの入力が思うようにいかなかった。そこで、これまで作成してきたプログラムを、excelアドインに組み込める形に改変しながら、いくつかのシステムやExcelデータのデザイン、ヲコト点の座標化の仕方、入力方法などを細かく見直した。 さらに、次の研究課題として、読み下し文作成のための準備をはじめた。ことばば文脈によって意味や用法が規定される。データベースの検索結果を生かすためには、訓点を反映した本文(読み下し文)が必要となる。本文に必要な訓点の情報はデータ化するので、そこから自動的に組み立てられるはずである。しかし、訓点資料のほとんどは、漢文の教科書のように返り点がついているわけではない。そこで、比較的返り点、仮名点が多く、訓法が確立してきた近世以降の版本などを利用して、プログラムを作りながら、問題点、解決方法などを模索した。本格的な検討は今後の課題としたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ感染症などの影響もあり、研究協力者を募ることが思うようにできず、当初の予定であった、データの入力が思うようにいかなかった。そこで、今年度もデータとプログラミングの整理を中心に行った。また、次の研究課題として、読み下し文作成の方法、ヲコト点をある程度自動認識するための画像処理の可能性などを検討し、準備を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究協力者に九州大学文学部所蔵の訓点資料をデータベース化してもらう。また、それをテストデータとして、検索機能や、研究利用の方法について考察していく。
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Causes of Carryover |
前年度に引き続き、新型コロナウイルス感染症の影響などで、調査などの出張が行えなかった。また同様の理由で、研究協力者が思うように集まらず、謝金が執行できなかった。 次年度は研究協力者を募り、データ入力をしてもらう予定なので、データ処理用の機器の購入と協力者への謝金として使用する。
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