2023 Fiscal Year Research-status Report
Oumi, Katata history from the medieval time to modern day: Research of the local shipping guild archives
Project/Area Number |
20K13188
|
Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
高橋 大樹 佛教大学, 公私立大学の部局等, 非常勤講師 (90837428)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 船道郷士 / 本福寺 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では研究目的の達成に向け、①船道郷士居初家文書および堅田地域伝来の史料の調査を通じた目録等の研究資源化、②史料の生成・伝来過程に関する分析に基づいて中・近世琵琶湖辺地域社会の様相を明らかにすることを課題としている。2023年度においても、居初家文書の分析に加え、関連史料の調査を重点的に進めた。概要は次のとおりである。 (1)前年度に撮り残しのあった滋賀県立琵琶湖博物館蔵の居初家文書の調査・撮影を完了した。それを踏まえ、大津市歴史博物館蔵の居初家文書と合わせて内容分析を進めた。また本年は、大津市歴史博物館において企画展「近江堅田 本福寺」が開催されたこともあり、同展への協力も含めて、本福寺文書に残る郷士関係史料の調査・分析も重点的に行った。それらの史料は同展に出陳され、図録にも紹介されている。なお、関連する内容の講演として、前年に引き続き堅田本福寺における文化講座(堅田歴史探求)において、「古地図で堅田の景観を読み解く」(2023年6月18日実施)として報告した。また大津市歴史博物館企画展関連講座として「本福寺文書の伝来と構成」(2023年10月21日)の講演をおこなった。 (2)関連する堅田地域史料調査として、引き続き本福寺文書(令和5年度末段階で約5,000点の写真撮影と内容調査をおこなった。なかでも本福寺中世記録に関連する中近世の資料群の調査を進めることができた(寺史や堅田地域の由緒に関連する史料)。さらに、関連地域史料として、あらたに本堅田村庄屋辻家文書(個人蔵)、本堅田村・堅田藩役人木村家文書(祥瑞寺保管)の調査・整理をおこない、前年に引き続き郷士北村又三郎家文書(大津市歴史博物館保管)の写真撮影を進めた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の主たる調査研究の対象となる居初家文書の原本調査についてはほぼ完了したが、文書数が相当数にのぼり、史料全体の構成に関する分析がやや遅れている。また、関連する堅田地域関連史料についても、大津市歴史博物館寄託分以外の文書が新たに見いだされ、悉皆的調査を完了することができなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は、最終年度ということもあり、居初家文書目録の全体調整と、船道郷士や堅田地域史に関する分析を進め、あわせて堅田地域各史料の目録を調整する。また、前年までに解読を進めた重点史料の紹介も含め、報告書の作成をおこなう。あわせて研究成果の地元還元も継続しておこなう。
|
Causes of Carryover |
調査の進捗に全体的(各年度)な遅れが生じたため、調査事業全体を総括する報告書の発刊が課題として残されている状況にある。よって、その成果報告書を発行費用として計上するもの。
|