2020 Fiscal Year Research-status Report
The Revival of Religious Order at Influential Temples During the Sengoku Period
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20K13192
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Research Institution | Nara National Museum |
Principal Investigator |
佐藤 稜介 独立行政法人国立文化財機構奈良国立博物館, その他部局等, アソシエイトフェロー (90820027)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 室町幕府 / 醍醐寺 / 権門寺院 / 三宝院持厳 / 家原寺縁起 / 狩野内膳 / 奉行人 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、新型コロナウイルス感染症流行拡大に伴い、所属機関外における調査が大幅に制約された。そのため、主に既刊・既公表の史料や所属機関管理の物品を用いて研究活動を進めた。 本研究は、戦国期の権門寺院を取り巻く情勢を検討し、中世から近世にかけての権門寺院の姿を連続的に把握することを目的とするものである。この問題関心に基づき、研究代表者が代表的な権門寺院のひとつと認識する京都・醍醐寺を対象として、室町幕府との政治的・宗教的な関係性を検討した。その中でも特に、戦国初頭に活動した醍醐寺座主・三宝院持厳の事績に着目し、法流の相承関係などからその生涯を跡づけつつ、後半生における足利義稙政権での宗教的顧問としての役割を明らかにした。この成果は「三宝院持厳考」(『鹿園雜集』第22号)として公表している。 あわせて、従来は美術史の分野で注目されつつも十分に学界への紹介がなされていなかった「狩野内膳書状」を含む、大阪・家原寺所蔵の古文書(所属機関寄託)を分析し、近世初頭における豊臣家と御用絵師と関係や、狩野内膳の関与が想定される作品群相互の関連性を指摘した。この成果も同様に「家原寺縁起附属文書一巻について」(『鹿園雜集』第23号)として公表した。 また、権門寺院と室町幕府との直接的な仲介者である室町幕府奉行人に関する分析を経済基盤という観点から行い、その成果を「戦国期幕府奉行人の経済基盤」(元木泰雄編『日本中世の政治と制度』吉川弘文館、所収)として公刊した。 本年度において論考の公表に至った研究実績は以上のとおりであるが、中世において武家・公家勢力との結び付きが強い京都・奈良の権門寺院を対象として、最新の研究成果や史料等の収集・分析もあわせて進めている。これらに基づく成果は、次年度以降の公表を目指したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要欄に記載したとおり、本年度は所属機関外における調査が大幅に制約された。そのため、当初予定していた未刊史料の調査については作業に遅れが発生しているものの、その一方で既刊の史料や所属機関が管理する物品に対する検討を進めることができ、その中で三篇の論考の公表に至っている。よって、本研究課題はおおむね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、本年度に十分実施ができなかった外部機関における調査を行い、当初計画に記載する未刊史料の調査と重要史料の紹介を重ねる予定である。あわせて、近刊の研究書の収集と分析を継続し、研究の目的に挙げた、中世から近世にかけての権門寺院の連続的把握を達成すべく成果の執筆と調査を進めたい。
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Research Products
(3 results)