2021 Fiscal Year Research-status Report
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20K13317
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
前硲 大志 山口大学, 経済学部, 准教授 (50845336)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 憲法 / 議会法 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度の研究成果として、「議会法研究の方法に関する一試論」、「ドイツ連邦議会議員法 2021 年改正(BGBl. I 2021, S. 4650 ff.)についての覚書」、「ドイツ連邦議会議員法2021年改正と基本法」と題する報告を、それぞれ北部九州公法若手研究会にて実施した。 「議会法研究の方法に関する一試論」は、議会法を憲法学の観点から考察する際のアプローチ・方法について若干の検討を施したものである。そこでは、憲法規定や憲法原理から導出される規範的要請が議会法形成に対する規範的評価の規準となりうるという視座のもと、そうした省察層としての憲法規範の充実化を図る場合に、一定程度、所与の議会法規範を議論の立脚点とするアプローチが適切である旨を論じた。 また、「ドイツ連邦議会議員法 2021 年改正(BGBl. I 2021, S. 4650 ff.)についての覚書」および「ドイツ連邦議会議員法2021年改正と基本法」は、議員の副業・副収入規律について、2021年10月に施行されたドイツ連邦議会議員法(行為規範)改正の内容を素材として、ドイツ連邦憲法裁判所判例にも依拠しつつ憲法学の観点から考察したものである。同改正に至る経緯としての議員スキャンダルを整理するとともに、2005年当時の行為規範の合憲性判断が裁判官8名中4対4で分かれた判例に照らして、改正後の行為規範の内容がどのように評価されうるかの方向性を示した。 研究実施計画上、令和3年度はドイツ連邦議会における議員の行為規範に関する研究を遂行することとしており、上記の研究成果はその計画に基づくものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和3年度は、主に議員の行為規範に関する口頭報告を実施したが、その内容を論文として公表するには至っていない。理由の一つは、研究対象であるドイツ連邦議会における議員の行為規範が年度下半期(2021年10月)に改正されたことに伴い、改正の背景や議事録の調査など、議論をアップデートするために当初の予定よりも時間を要した点にある。また、COVID-19の影響により、資料収集(特に洋書)に予定よりも多くの時間を要し、研究資料を十分に読み解く時間的余裕が乏しくなったことも、進捗がやや遅れている理由の一つである。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度においては、まず、令和3年度に口頭報告した研究成果を、研究論文として公表する。また、これと並行して、主にドイツにおける両院調整機関を素材として、議会の人的構成における多数派原理、および、両院調整機関の権限に関する研究も同時に遂行する。
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Causes of Carryover |
まず、COVID-19の影響により、東京・大阪・京都等の大都市圏に赴く予定であった資料収集や学会・研究会出席のための旅費に未使用分が生じた。また、同じくCOVID-19の影響により、特に洋書の輸送に多くの時間を要することとなり、年度内に到着しない見込みの書籍発注を取りやめたことも未使用分を生じた一因である。 令和4年度の使用計画としては、まず物品費につき、主に日独公法学関連書籍の購入を予定している。また、旅費に関しては、令和4年度もCOVID-19の状況を見ながら、国内外の学会・研究会がオフラインで実施される場合の旅費や、国内外への資料収集(主に洋雑誌掲載論文の収集)に際しての旅費としての使用を予定している。
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Research Products
(3 results)