2023 Fiscal Year Research-status Report
現代的な国際取引に対する規律のあり方―CISGの対応可能性について
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20K13328
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小池 未来 大阪大学, 大学院高等司法研究科, 准教授 (60802270)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | CISG / ウィーン売買条約 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、これまでの研究において、個別の法的問題ごとに、(1)現代的な国際取引に対する規律として、CISGで対応することは可能かつ適切であるのか(CISGの対応可能性)を明らかにし、(2)(1)が肯定される法的問題については、CISGの規定がどのように解釈されるべきであるか(CISGのあるべき解釈)について検討をおこなってきた中で明らかになった、現代的な国際取引に対する規律としてCISGでは対応することができない法的問題について、(3)CISGにどのような規定が導入されるべきであるかという問題に中心的に取り組んだ。また、解釈上、現代的な国際取引に対する規律として、CISGで対応することが可能かつ適切であり、CISGの規定がどのように解釈されるべきであるかが確定できるとしても、それがユーザーにとって明確でない場合には、予見可能性や法的安定性の観点から問題があり、たとえば、企業にとっては自らの契約の運命を予測できない事態となりうる。これは、CISGが1980年に採択された、古典的な物品売買契約を念頭に置いた規則であることから、現代の国際取引に対する規律として対応するためには生じざるを得ない問題であるといえよう。ユーザーにとっては、規則自体が一義的であるのが最も便宜であり、そうした規則の解釈が明文化されていることに利益を有すると考えられる。このような問題を解消するための方策を、その明文化も含めさまざまな方向から検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究課題に対し一定の研究成果が得られたが、総括に当初の予定よりも時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
総括に当初の予定よりも時間を要したため研究期間を延長するが、必要な資料や情報は入手済み、あるいは、入手目途が立っており、オンラインも活用しつつ本研究の総括をおこなう。
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Causes of Carryover |
総括に当初の予定よりも時間を要したこと、また、一部の洋書の入手に時間を要したことから、次年度使用額が生じた。
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