2022 Fiscal Year Research-status Report
A comparative study on belonging of co-inherited property between Japan, Germany, and Korea
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20K13370
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
金 ミンジュ 広島大学, 人間社会科学研究科(社), 准教授 (50820601)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 共同所有 / 共有 / 共同相続 / 組合 / 登記制度 / 公示制度 / 団体財産 / 法改正 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度には、韓国の共同所有制度及び共同相続財産の帰属に関する研究を中心に取り組む一方、ドイツ法と日本法における最近の法改正の動向を踏まえて日独韓の比較法的検討を行った。 まず、ドイツの新たな法改正である「人的組合法の現代化のための法律(MoPeG)」を紹介した2021年度の「ドイツにおける組合法の改正動向ー人的組合法の現代化のための法律(MoPeG)を素材として」(広島法学45巻3号)の続きとして、現在ドイツで議論されている合有論の行方について検討し、研究会等で報告を行った。 また、 韓日国際学術シンポジウムを開催し、「共同所有に関する比較法的研究:共同相続財産の帰属と公示-」というテーマで、日本・韓国の研究者らから(1)韓国(2)日本(3)ドイツ(4)フランスにおける共同所有制度と共同相続財産の帰属と公示に関する法状況を報告してもらい、4カ国の共同相続財産とその公示制度について活発な議論を行った。 さらに、韓国の嶺南大学校法学研究所の学術大会(大テーマ:「民法上共同所有の現況と改善方向」)へ参加して、日本の共同所有制度について報告し、日韓の共同所有制度及び共同相続財産の帰属問題をめぐった様々な議論を行った。 これらの研究報告及びシンポジウムの開催などを通じて、日独韓3カ国の比較法的観点をとりつつ、日本法における共同所有制度と共同相続財産の帰属問題に関する解釈論的・立法論的あり方について研究を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
まず、ドイツ団体法において重要な法改正である「人的組合法の現代化のための法律(MoPeG)」を素材とした「ドイツにおける組合法の改正動向ー人的組合法の現代化のための法律(MoPeG)を素材として」(広島法学45巻3号)の続きとして、現在ドイツで議論されている合有論の行方について検討を行った。その成果は、「ドイツにおける合有論の行方ー人的組合法の現代化のための法律(MoPeG)の成立を契機にー」というテーマで、ドイツ民法研究会(2022年6月9日)、日本土地法学会中国支部(2022年6月25日)で報告を行い、日本法への影響について議論した。その議論を含めてさらに検討した内容については、「2021年ドイツ組合法の改正―組合法現代化法の意義と日本法への影響」(ジュリスト1581巻)に公表した。 また、2022年12月2日に、韓日国際学術シンポジウムを開催して、「共同所有に関する比較法的研究:共同相続財産の帰属と公示-」という大テーマで、日本・韓国の研究者らから(1)韓国(2)日本(3)ドイツ(4)フランスにおける共同所有制度と共同相続財産の帰属と公示に関する法状況を報告してもらった(研究代表者は、ドイツの法状況について報告を行った)。このシンポジウムを通して、4カ国の共同相続財産とその公示制度について活発な議論を行い、その成果については、「日独韓における共同相続財産の帰属とその公示制度(仮題)」というテーマで、論文として公表する予定である。 さらに、2022年12月16日に、韓国の嶺南大学校法学研究所の学術大会(大テーマ:「民法上共同所有の現況と改善方向」)へ参加し、日本の共同所有制度について報告し、日韓の共同所有制度及び共同相続財産の帰属問題をめぐった様々な議論を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度に続き、ドイツ団体法において重要な法改正である「人的組合法の現代化のための法律(MoPeG)」が日本と韓国に及ぼす影響について明らかにして、国内外の学術大会で報告を行う。ひとまず、ドイツ組合法の法改正が韓国法上の団体の所有形態に及ぼす影響と立法的提言について、2023年度6月に韓国で開催される韓国民事法学会の夏季学術大会で報告する予定である。なお、共同所有の3類型を立法化し、公示方法を備えている韓国民法の改正論議など、最新の法状況を踏まえて、日本の団体法・共同所有制度及び公示制度に関する解釈論・立法論的示唆を検討し、2023年9月にドイツ民法研究会及び国内の学会等で報告を行う予定である。 また、2022年12月6日に韓国の嶺南大学校法学研究所の学術大会で報告した「日本の共同所有制度及び今後の課題」について内容を発展させ、論文として国際的に公表・発信する予定である。 さらに、ドイツ団体法の改正及びその登記実務への影響を把握するため、現地調査を試みる。 最後に、これらの研究・調査成果を論文や著書などの出版を通じて国内外に公表・発信していく予定である。
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Causes of Carryover |
Covid-19の拡大により、国内外研究機関との研究交流がオンラインのみに限定されてきたため、現地調査、資料収集および学会報告などのための出張ができなかった。研究費の有効な活用のため、適切な研究方法の工夫をしつつ今後の情勢に応じて対応する。
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Research Products
(7 results)