2021 Fiscal Year Research-status Report
Performance report disclosure and strategic behavior of hospitals
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20K13520
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| Research Institution | Kwansei Gakuin University |
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Principal Investigator |
高原 豪 関西学院大学, 商学部, 助教 (70844421)
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2020-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | 医療政策 / 情報開示 / 情報の非対称性 / モラルハザード |
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| Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は一連の研究プロジェクトを構成する全ての研究について取り組んだ (3研究).
第1研究は, 規制当局による医療機関の治療成績の公表が診療報酬に与える影響を分析したものである (理論モデルの大まかな設定は2020年度報告書を参照のこと). 後述の通り理論モデルの改訂を行ったため, 2020年度に得られた結果に加え, "あいまいな治療成績" を公表することが最適な診療報酬の引下げにつながる可能性を示した. これは, あいまいな治療成績は, 厳密な治療成績よりもlow-abilityな医師の評判を毀損しない一方で, high-abilityな医師に対してはいずれの治療成績の公表であっても, 低賃金で十分なインセンティブ付けを行うことができるためである. 規制当局や保険者による医療機関の診療成績の公表は, 世界的な潮流で, 特に近年では患者に "分かりやすい" 治療成績の公表が求められていると結論付ける研究が多い. それに対し, 本研究は分かりやすい治療成績の公表が診療報酬の高騰を招く可能性を示唆している.
第2研究は, 治療成績の公表が医療機関の行動 (診療拒否と投資活動) に与える影響を分析した研究である (本研究についても, 大まかな設定は2020年度報告書を参照のこと). 本年度は, 昨年度完成した理論モデルに基づき, 論文の執筆を行った. また, 執筆中にパンチラインの再検討が必要であることが分かったため, 理論モデルへのフィードバックを行った.
第3研究は, 治療成績の公表と他の医療政策 (特に医薬品産業のマーケティング活動規制) について分析した研究である. 本研究の特徴は, 関連する2つの医療政策について同時に分析した点である. 本年度は, 基本文献の調査と, 理論モデルの構築を行った.
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
第1研究は, 2021年5月に学術誌に投稿したものの, 同年6月にリジェクトの決定があった. このため, 別の学術誌に投稿するための改訂作業に取り組んだ. この改訂で, 理論モデルの変更を行った. 主な変更点は, 規制当局が公表する治療成績の "詳しさ" を選択できると新しく仮定したことである. この分析の結果, より多くの政策的含意を示すことができた. この結果は従来の医療政策では標準的とされた考え方を覆すものであり, より価値の高い研究となることが予想できる. 更に本研究について国内の学会と研究会でそれぞれ1回ずつ報告を行い, 理論モデルへのフィードバックを行った.
第2研究は, 昨年度完成した理論モデルに基づいて, 執筆作業を行った. この作業中に理論モデルの改訂が必要であることが明らかになったため, 下半期からは執筆作業とモデル構築作業を並行して行った. その結果, 当初の理論モデルよりもインパクトのある研究成果を示すことができる可能性が出た.
第3研究については, 当初提出した研究計画の通り文献調査及び理論モデルの構築を開始することができた.
このように, 第1研究, 第2研究についてはやや遅れが発生しているものの, それに対応して, より価値のある研究成果が出る見込みであると考えている. また, 第3研究は当初の計画通りのため, 総合して "おおむね順調に進展している" と判断した.
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| Strategy for Future Research Activity |
第1研究, 第2研究は, 2022年度上半期中に学術誌に投稿する予定である. 投稿後は, 編集者からの要求に従い論文を改訂し, できるだけ早く学術誌に研究成果を公表できるように取り組む.
第3研究については, 2022年度上半期末までに理論モデルの構築, 論文の執筆を行い, 2022年度下半期のできるだけ早い時期までに学術誌に投稿することを目標とする.
また, 第2研究, 第3研究については国内外の学会・研究会で積極的に発表を行い, より質の高い研究となるように取り組む
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| Causes of Carryover |
次年度使用理由が生じた理由は以下の通りである: i) 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い, 出張を伴う海外での研究発表をする機会がなくなった, ii) 第2研究の第1稿の完成が遅れ, 国内・海外学会 (オンライン開催のものを含む) への応募期限に間に合わなかった.
2022年度は, 第2研究, 第3研究の発表のための出張旅費又は学会参加費 (オンライン開催も含む) や, 3研究の英文校正費として使用する予定である.
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Research Products
(2 results)
