2021 Fiscal Year Research-status Report
オンライン/オフライン環境のパスデータを用いた消費者購買行動のモデル開発
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20K13576
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
金子 雄太 同志社女子大学, 現代社会学部, 助教 (40770300)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アイトラッキングデータ / 顧客動線データ / インターネット検索 / ブランドイメージ / 消費者行動モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度の研究成果は(1)アイトラッキングデータの収集、(2)顧客動線の複雑性解析のための消費者行動モデルの構築、(3)基礎化粧品市場の消費者行動分析、(4)暗号資産価格の状態空間モデルによる解析の4点であり、データ収集から分析モデルの開発まで計画に沿った研究を広く推進することができた。(1)アイトラッキングデータの収集では、ハンドメイドアクセサリーの画像を複数パターンに分類し、そのビジュアル効果を測定した。製品をモデルが身に着ける着画の画像と製品単独の置き画の画像を比較し、着画のほうがより注視される傾向があり、対人的影響を消費者に与える文字を加えるとビジュアル効果がさらに高まるという結果を得た。(2)顧客動線の複雑性解析のための消費者行動モデルの構築では、動線の複雑性を表す指標と店舗内滞在時間を含んだ改良KNNアルゴリズムに基づく顧客分類モデルを考案した。本提案モデルは数値実験において、SVMや従来のKNN分類モデルと比較しても良好なF1スコアを示した。(3)基礎化粧品市場の消費者行動分析では、基礎化粧品需要に関する生活者のアンケートデータを用いて、消費者の美意識と子どもの有無の関係性に注目し、商品の販売促進に繋がる購買行動やその傾向を分析した。(4)暗号資産価格の状態空間モデルによる解析では、暗号資産の価格変動を記述する時系列モデルを構築し、DeFiおよびNFT関連銘柄の暗号資産について1年間の日次価格の変動を分析した。暗号資産市場全般と特定の暗号資産に関する毎週のインターネット検索が各コインの価格変動にどのような影響を与えたかを測定し、外生変数として導入されたビットコイン価格はイーサリアム価格に正の影響を、インターネット検索はアルトコイン全般の価格に負の影響を与えうることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度はオフライン/オンラインのデータ収集とその分析、消費者行動モデルの開発まで当初の構想以上に研究内容を深めることができた。具体的には、複雑性指標を含む顧客分類モデルの提案、消費者の美意識と子どもの有無の関係性が基礎化粧品の需要に与える影響の分析、インターネット検索の影響を考慮した暗号資産の価格変動モデルの開発、などの研究成果を対外発表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は消費者行動モデルの高度化に取り組み、より汎用性や説明力の高いモデルを開発していく計画である。オンライン/オフラインともに取得したデータ数は増えており、個々の状況下における消費者行動モデルは開発が進みつつある。今後はより見通しをよくするために効果的な変数を洗い出し、消費者行動の統合的な理解を与える分析モデルを構築していく。
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Causes of Carryover |
COVID-19の変異株の影響で世界的に調査研究が制限されたため、学会参加費や旅費などの費用計上に当初計画との違いが生じている。今後、データベースの整備やシミュレーション用の計算機を購入する費用として使用する計画である。
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Research Products
(6 results)