2021 Fiscal Year Research-status Report
クロスボーダーM&Aの統合プロセスにおける企業間関係についての研究
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20K13598
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
徐 玉琴 明治大学, 経営学部, 助教 (80826024)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | クロスボーダーM&A / 統合プロセス / 組織間関係マネジメント / 統合アプローチ |
Outline of Annual Research Achievements |
昨今,日本の大手企業が大型M&Aに乗り出す動きが相次いている。大型M&Aに踏み切った理由の一つとして,グローバル競争に勝つための研究開発能力を獲得することが挙げられる。一方,企業が必ずしもM&Aで獲得した研究開発能力を有効に移転・活用できていないことが指摘されている。M&A後の統合と研究開発能力の向上の関係についての研究は多く行われてきたが、未だ統一的見解はない。本研究はクロスボーダーM&A(合併・買収)後の統合プロセス(Post-Merger Integration、PMI)における当事者企業の関係に着目し、PMIにおける知識移転の促進に適した組織間関係のマネジメントのモデルを解明することを目的としている。 M&A後の統合活動がM&Aのアウトプットを左右すると言われている。2021年度は、知識移転を促進する統合アプローチ、とりわけ、統合アプローチに関する代表的な研究であるHaspeslagh and Jemision(1991)、Nahavandi and Malekzadeh(1988)、Marks and Mirvis(1998)、Ellis (2004)を中心に分析した。クロスボーダーM&AのPMIにおける知識移転に影響を及ぼす要因を明らかにしたことが最大の成果である。これにより、2020年に構築したフレームワークをさらに精緻化することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概要で示したとおり、本研究の理論的フレームワークが定まったことにより、今後の仮説検証に移行することができる。また、2021年度は文献調査を中心に、クロスボーダーM&AのPMIにおける知識移転に影響を及ぼす要因を明らかにした。研究内容を論文にまとめ投稿し、レフリーより有益なコメントを頂戴した。
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Strategy for Future Research Activity |
ケーススタディにより仮説実証を行う。2021年度はクロスボーダーM&AのPMIにおける知識移転に影響を及ぼす要因に着目し、文献研究を中心とした論文を作成した。今後はデータの収集に努める。現状では、1社の企業ケースを中心に分析しているが、今後は同業他社による比較データ分析にチャレンジしたい。
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Causes of Carryover |
2021年度に、海外調査、国際学会での報告を予定していたが、コロナ禍であったため、計画を変更して文献調査を行うこととしたため、未使用額が生じた。 このため、海外調査、国際学会での報告を次年度に行うこととし、未使用額はその経費に充てることとしたい。
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