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2021 Fiscal Year Research-status Report

条件付保守主義の計測方法に関する問題点の解明とその改善方法の探求

Research Project

Project/Area Number 20K13641
Research InstitutionFukui Prefectural University

Principal Investigator

山下 知晃  福井県立大学, 経済学部, 准教授 (50754553)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
KeywordsBasuモデル / 条件付保守主義 / CFOの非対称性
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、Basu(1997)モデルによって、日本企業に関して条件付保守主義の程度を計測することの妥当性を検証し、もし問題がある場合には、その改善方法を検討することにある。初年度においては、研究計画にしたがって、Basuモデルによる条件付保守主義の計測にバイアスが生じているか、その要因は何かについて検討を行った。今年度(第二年度)においては、初年度に実施した研究を発展させるとともに、Basuモデルに代わる条件付保守主義の計測方法について検討を行った。具体的には、まず初年度の研究内容を成果としてまとめていくにあたって、分析の細かな修正や研究の位置づけの再検討を行った。加えて、Dutta and Patatoukas (2017 TAR)によって開発された新たしい条件付保守主義の尺度(SCV measure)について、日本のデータを用いた計測を行った。前者については、初年度に行っていた分析に新たな分析を追加するとともに、より研究の意義を明確化するために、Basuモデルにバイアスをもたらす要因の中でも、CFOの非対称性とよばれる要因に注目することにした。この研究については、最終年度に論文として成果をまとめることができるように、引き続き分析を進めていく予定である。また、SCV measureについては、米国のデータを用いたDutta and Patatoukasの結果とは必ずしも整合しない結果が得られ、日本企業のでデータを用いた場合、SCV measureを用いて条件付保守主義を計測することは問題がある可能性も示唆された。ただし、このような結果が得られた理由(原因)については明らかにできておらず、今後の研究の中でさらなる深堀りを行う必要がある。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

現在までの研究の進捗状況は「おおむね順調に進展している」と評価できる。その理由は次の通りである。まず、当該年度中に研究成果の一部を学会発表することができた点が挙げられる。具体的には、SCV measureの計測結果とその検討について、当該年度中に学会発表を行うことができた。学会発表を通じて、他の研究者から現在の研究について有益なコメントを得ることができ、当初予定していたよりも早く研究の問題点や意義について検討を行うことができている。次に、当該年度において、予備的な研究課題についても分析を進めることができた点をあげることができる。Dutta and Patatoukasによって開発されたSCV measureの検討は、当初の計画においては予備的な研究課題と位置付けていたものであった。しかし、研究計画を比較的順調に進めることができていたこともあり、当該年度中に分析を進めることができた。さらに、初年度に行った分析についても、研究の完成に向け、分析の精緻化や研究の意義付けの再検討を順調に進めることができている。ただし、初年度終了時に課題としていた先行研究のサーベイ論文については、先行研究によって指摘された問題点の整理を学会発表用論文に含めるにとどまった。Basuモデルへの批判およびその改善方法に関する研究は今でも増えており、改めてそれらの成果を整理・検討する必要がある。一部達成できなかった課題はあるものの、研究全体としては、研究計画をふまえつつ順調に分析をすすめることができていると判断した。

Strategy for Future Research Activity

今後の研究計画は次の通りである。第一に、初年度および第二年度に行った研究を成果としてまとめるために、分析の精緻化を行い、論文投稿の準備を進める。また、新しく公表されたいくつかの重要な関連研究についても、整理・検討を行う。第二に、研究計画にしたがって、Basuモデルの修正方法(Ball et al. 2013 TAR; Badia et al. 2013 JAR)が日本のデータを用いた場合にも有効であるかどうかについて検証を行う。第三に、可能であれば、本研究で得られた知見が、日本のデータを用いた条件付保守主義の研究において、具体的にどのように応用可能であるかについて検討を進める。

Causes of Carryover

今年度も新型コロナの流行が続き、当初予定していた出張がとりやめになるなど予定の変更が生じたことが次年度使用額が生じた理由のひとつである。また、研究計画が比較的順調に進んでいたこともあり、次年度の研究を前倒しで実施するべく、データ購入費用について前倒しで請求を行った。しかし、購入を予定していたデータについて、使用できる期間の問題などがあり、一旦、購入を見送ることにした。これもまた次年度使用額が生じた理由である。今年度発生した次年度使用額は、第三年度の分析に必要となるデータの購入に使用する予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2021

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 利益=リターンの非対称性の決定要因と条件付保守主義の新しい尺度について2021

    • Author(s)
      山下知晃
    • Organizer
      日本会計研究学会第80回大会

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Published: 2022-12-28  

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