2021 Fiscal Year Research-status Report
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20K13661
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
川端 千暁 中央大学, 商学部, 助教 (30844443)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 監査人の法的注意義務 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度には、判例研究を継続して実施するとともに、歴史的な資料の検討を引き続き実施した。また、監査人の責任に関する分析的研究のレビュー研究を実施した。さらに、英国の監査制度に変化が生じていることを考慮して、米国以外にも英国の制度の検討を行った。 2021年度の実績としては、英国の議会が公表した報告書「監査の将来(future of audit)」を共同で翻訳「監査の将来」を出版した。本報告書は、現在英国政府(特にBEIS省)がすすめた改革について英国議会(特にBEIS委員会)が検討を行ったものである。本報告書においては、監査人の責任の拡張について議論されている。 これらは、2022年度に実施する予定である英国の監査制度改革における監査人の責任の研究の基点となるものであり、科研費研究機関開始後に英国の監査制度改革について本格化したため、研究計画を修正し、取り入れたものである。本報告書においては、監査人の責任が監査実務レベルで拡張されることが議論されるとともに、法制度においても監査人の責任を変更することが提案していることに本研究との関連がある。 残念ながら、2021年度においては、2020年度の研究発表を論文化することはできなかったが、2022年度以降に行っていくこととする。また、監査人の注意義務について扱われた判例研究を実施した。これは2022年5月に提出し、その後公表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度に続き、新型コロナウィルスによる感染症の影響により、実地調査・資料収集等が不可能であったため、変更を伴うこととなった。また、大学の異動があったため、取り組みやすい制度研究を中心に行うこととした。 なお、ポジティブな修正点としては、英国における制度改革も議論の前提として組み込むことができている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、歴史資料及び判例資料を用いた経験的研究及び経験的研究の結果を踏まえたモデル研究を行う。 2022年度の研究の推進方策としては、引き続きモデルの部分の雑誌投稿を行うとともに、経験的研究の雑誌投稿を継続的に行っていく。また、2020年度に学会で発表した論文の修正と修正論文の投稿を行っていく。古典的文献の調査・翻訳も行う。
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Causes of Carryover |
申請時から現在までに発生した新型コロナウィルスによる感染症の影響により、本計画も当初の予定から大幅な変更を行った。したがって、研究費の配分が大幅に異なることとなった。 次年度使用額と当該年度以降分として請求した助成金を合わせた使用計画については、現地調査には行くことができないものの、研究資料の購入および2021年度までの研究成果の投稿・出版の費用等にあてるとともに、一部は次年度以降に実行可能性のある現地調査の費用に繰り越すこととする。
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