2023 Fiscal Year Annual Research Report
疑似家族的な親密圏が構築される活動をモデルとしたハンセン病問題経験学習理論の構築
Project/Area Number |
20K13686
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
西尾 雄志 近畿大学, 総合社会学部, 教授 (30434335)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 親密圏 / 公共圏 / ボランティア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究テーマは、疑似家族的な親密圏が構築される活動をモデルとしたハンセン病問題経験学習理論の構築に関する研究であるが、「疑似家族的な親密圏が構築される活動」のハンセン病問題以外の応用可能性に関する研究も同時に行なった。まず、疑似家族的な親密圏が形成されるプロセスに関して、これまで社会学の概念である公共圏、親密圏の構図から考察をしてきたが、ここに社会心理学の概念である「シンパシー・グループ」や、進化生物学、認知心理学、人類学の分野で研究を行なうロビン・ダンバーのダンバー数の概念を導入することで、より明確な説明モデルを構築した。本研究成果は、「ハンセン病問題プロジェクト」として公表した(早稲田大学平山郁夫記念ボランティアセンター編『学生の心に灯を灯す――早稲田大学平山郁夫記念ボランティアセンター20年の挑戦』所収(成文堂、pp.55-75))。 また、龍谷大学社会科学研究所助成研究(課題「若者と民主主義に関する総合社会科学的研究 ~非政治的参加と政治的不参加との「乖離」の解明」)の研究会において、2022年7月9日研究報告を行なった。 なお、本研究は研究のみにとどまらず、広く実践していくことを志向し、近畿大学総合社会学部社会・マスメディア系専攻インターンシップ科目「エリア実践活動Ⅰ」として、本研究の知見を活かしたかたちで、沖縄県島尻郡渡嘉敷村にて渡嘉敷村役場、阿波連小学校、渡嘉敷小中の二校の協力を得て、実践していく予定である。なお、試行事業の位置づけで、2024年2月に本学大学生20名の参加で事業を行なった。
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