2022 Fiscal Year Research-status Report
社会科授業が苦手な小学校教師の資質・能力育成プログラム開発:授業観形成に着目して
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20K13988
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Research Institution | Kyoto Notre Dame University |
Principal Investigator |
大西 慎也 京都ノートルダム女子大学, 現代人間学部, 准教授 (20755318)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 社会科授業観 / セルフスタディ / クリティカルフレンド / コミットメント |
Outline of Annual Research Achievements |
2020・2021年度は、「社会科授業観」の変容のためには、社会科授業へのコミットメントを促す他者との出会いが重要であることが明らかになっていた。そこで2022年度は、前年度同様コロナ禍のため制限はありつつも、前年度までと同じ対象者に協力を依頼し、質的な調査を進めた。2022年度に調査した内容、明らかになった点は以下のとおりである。 1点目は、同じ公立小学校に勤める、20代後半若手教師と40代後半ミドルリーダーによるセルフスタディに関する調査によるものである。2021年度までに同僚教師との対話による「社会科授業観」の変容過程を明らかにすることができていた。その要因を聞き取り調査を繰り返す中で探っていくと、クリティカルフレンドの存在が何よりも重要であることが明らかになってきた。 2点目は、すでに定年退職された元小中学校教師のライフストーリー調査によるものである。2021年度までに、先輩教師との出会い以外にも、本人がもつ社会事象を探究しようとする意欲や、仲間の存在が重要であることが明らかになっていた。2022年度に、詳細な調査を繰り返すことで、1点目の事例と同様にクリティカルフレンドの存在が重要であり、そのことにより自身の社会科授業観を更新させていることが明らかとなった。 3点目は、研究代表者自身によるセルフスタディ実践である。研究協力者とともに実践した。そのことにより、社会科授業観の形成・更新にはセルフスタディが有効であることが明らかとなった。 これらのことから、2022年度の研究成果は、授業観の形成・更新にはセルフスタディの視点の重要であることが明らかとなった。最終年度は、セルフスタディを促しながら社会科授業観を形成・更新する方略についてまとめていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍のため、実施予定が1年ずつ遅れている。本来の最終年度であった2022年度になってしまったが、社会科授業観の形成・更新のために必要な要素を明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度の早い段階でセルフスタディ研究の視点を組み込んだ「社会科授業実践に関わる資質・能力育成のためのモデル」を作成する。 作成した「社会科授業実践に関わる資質・能力育成のためのモデル」関して学会で発表し、論文投稿する予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により研究の進捗が遅れている。そのため、1年の延長を申請し認められた。最終年度となった2023年度には、研究報告書を製本し、報告会を開催するなど、予算が必要となり、残金を計画的に執行する予定である。
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