2022 Fiscal Year Research-status Report
A Fundamental Research about the Curriculums Dealing with the Cross-cutting Concepts in STEM Education
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20K14119
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
齊藤 智樹 順天堂大学, 国際教養学部, 非常勤講師 (90849613)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 領域横断的な概念 / プロセススキルズ / 構成概念 / 科学やエンジニアリングの体験的・経験的活動 / STEM統合の構造 / NGSS |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、今年度までの研究成果を随時発表するとともに、これまでにまとめた内容に基づいて、上積みの研究を更に進める段階に進めた。 今年度の研究成果として、特に1980年代以降の過去のカリキュラムにおける領域横断的な概念の洗い出し、その概念を扱うカリキュラムの枠組みの整理、および領域横断的な概念にまつわる児童生徒の具体的なあらわれと、そのあらわれをまとめるコードの抽出などがあり、それぞれ国内外の学会(日本科学教育学会)及び海外の学会(東アジア科学教育学会[East-Asian Association for Science Education]・米国科学教師教育学会[Association for Science Teacher Education])に発表した。国内においては、1960年代からの領域横断的な概念のカリキュラム内での扱い、STEMの統合にまつわる領域横断的な概念の位置づけと統合の構造などについて発表し、海外ではSTEMがいかに統合されるかについて、および米国NGSS(Next generation science standards)における領域横断的な概念の示す児童生徒のあらわれとその構造についての発表となった。 これまでに得られた資料に基づく成果・発表に加えて、新たに取得した資料及びまだ分析に進めていなかった資料について、データ分析を進めるとともに、これまでの資料からの知見により詳細なデータを加えたり、分析の枠組みを綿密化をした。これによって、分析の信頼性を向上させ、過去の教育活動及びその関連資料との整合性を高めた。 以上の成果を受けて、更に児童生徒の学習および、教育現場での指導にこれらの知見を活かしていくためには、1.見出された構成概念の妥当性の検証、テスト可能性の検証、関係する因子の洗い出し、弁別的妥当性の検証などが考えられ、2022年度は構成概念の整理とその妥当性の検証に係る準備を進めてきたところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画したように、STEMの統合にまつわる領域横断的な概念の役割と、カリキュラムの中での分析的な枠組み、およびそれをまたいだ児童生徒のあらわれについて、明らかにしてきた。さらに、計画では実践部分への移行も含めてあり、残り期間での実現に向けて進めている段階にある。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は計画では最終年度であり、研究のまとめの段階にある。ここまで学会において発表してきた内容により、全体の形が見えてきている。そこで、最終年度においては前述のとおり、実践を伴った検証を進めると同時に、ここまでにまとめてきた内容に基づいて、文献に落とし込んでいく作業を伴う。具体的には、研究報告書としてまとめるとともに、研究論文としての発表を進めていくことになる。 また、教育現場への適用を進めていくためには、具体的な教育活動を伴ったデータの分析・理論の構成が欠かせない。2023年度はこのような文脈構築ができるよう進めてきた準備をもとに、実行していく予定である。具体的には、STEM教室のようなものを数回開催し、あるいはデータ提供にご協力いただける学校等にお願いし、テスト作成のための基礎データを取らせていただくことになる。
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Causes of Carryover |
当該研究においては、前述のとおり計画に沿った活動を進めており、おおよそ計画通りに進行している。一方で、コロナ関連の状況の不透明性のなかで、教育実践を伴う研究計画においては、十分進めることができず、また計画を遅らせてきた背景がある。 2023年度も同様に計画を進めていくにあたっては、新型コロナウイルス等への配慮が必要な状況にあったが、今後5類への移行に伴って、残り期間で許される範囲での実践を伴った研究活動を進めることが可能になってきた。次年度予算と合わせて、研究成果を出すために使用させていただく予定である。 使用計画としては、教室開催準備のため、広報、教材準備、関連謝金等に使用する予定である。
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Research Products
(5 results)