2021 Fiscal Year Research-status Report
Effect of mindfulness-based interventions on workers from the healthy company
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20K14187
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
甲田 宗良 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(社会総合科学域), 講師 (50736189)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 健康経営 / マインドフルネス / メンタルヘルス / バーンアウト / 感情労働 / 新型コロナウイルス感染症 / 看護職 / 対人サービス業 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は,マインドフルネスに基づく介入(Mindfulness-based intervention: MBI)が,健康経営施策に及ぼす影響を検証することであった。 令和3年度は,MBIの実施を検討している事業所の管理者層(3名)を対象にオンラインによるインタビュー調査を行った。その結果,健康経営に関する課題については,「社員が継続して取り組める簡易でローコストな取り組みが必要」,「健康経営の施策は,健康や働き方に良い影響を及ぼす理由(メカニズム)を理解しないと,続かない」といった意見が挙げられた。さらに,マインドフルネス適用への期待については,「国内外の他の企業が導入しており,自分たちのところでも実施してみたい」,「社員が安心して取り組める,継続できるよう,専門家が長期的にフォローしてほしい」といった回答が得られた。以上より,先行事例や効果がある程度検証されており,健康や働き方への効果の説明が明快で,実施可能性や継続性の高いMBIを導入することが有用であると考えられた。 なお,本年度は,看護職を対象に,マインドフルネスによるバーンアウト緩和効果を調査した。その結果,自身の体験を観察するマインドフルネススキルの高さが,コロナ関連業務のストレッサーと相互作用し,バーンアウトを強めるプロセスが明らかとなった。さらに,飲食業に従事する者を対象に,感情労働と職業性ストレスの関連にマインドフルネスが及ぼす影響を調査した。その結果,感情労働の中でも,深層演技が職業性ストレスに及ぼす影響をマインドフルネス特性が調整しており,マインドフルネス特性の高い個人の深層演技は,より職業性ストレスを緩和する効果を有することが示された。以上のように,マインドフルネス特性は,労働者の働き方とメンタルヘルスの関連を規定する要因であることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和3年度は,令和2年度に実施できなかったインタビュー調査を実施し,少数ながら健康経営施策におけるマインドフルネスの必要性を示す意見を得ることができた。この調査を皮切りに,別の企業でも同様のインタビュー調査を行う予定を組むことができた。 令和3年度は,健康経営施策を導入する企業以外の対象者ではあるものの,労働者を対象に働き方とメンタルヘルスの関係を,マインドフルネスが調整することを明らかにする調査研究を実施した。マインドフルネスの有用性や活用の方向性を示唆するデータを得られており,今後,MBIのプログラム作成の際の具体的な根拠資料となった。令和4年度は,インタビュー調査の結果をもとに,一般的な瞑想を中心としたマインドフルネス以外にも,筆記や運動を取り入れたプログラムを作成し,予備的な介入研究を実施予定である。 以上より,「おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度は,まずインタビュー調査を対象者を増やす。その上で,令和3年度に得られた知見の深化・拡張を試みる。マインドフルネスの有用性について,施策導入を検討する企業の「期待」として,明示することを予定している。 次に,インタビュー調査の結果をもとに,一般的な瞑想を中心としたマインドフルネス以外にも,筆記や運動を取り入れたプログラムを作成し,予備的な介入研究を実施予定である。 令和4年度も労働者を対象とした基礎調査を実施する。インフラを担う事業者,とくに交代勤務を担う職員の生活リズム,働き方,メンタルヘルスの関連を調査し,このプロセスにマインドフルネスが及ぼす調整効果を検証する予定である。 また,令和2年度に引き続き,一般労働者を対象に,マインドフルネス特性および労働生産性(アブセンティーズム (遅刻,欠勤,早退などの頻度) およびプレゼンティーズム (業務への集中,ミスの程度) にて測定)を測定する質問紙調査(web調査)を行う。
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Causes of Carryover |
令和3年度も令和2年度に引き続き,新型コロナウイルス感染症拡大の影響により,予定していた国内外の学会や研究会/研修会が全てオンライン開催あるいは中止となった。そのため,旅費は一切使用していない。令和4年度も同様の状況と考えられるため,オンラインにより,国内外の学会や研修会に参加し,マインドフルネス・トレーニングの研鑽などを行う。これらの費用に充当したい。 また,予定していた対面の介入研究が実施困難な可能性もあるため,オンラインによるマインドフルネス・トレーニングの開発や介入計画を早急に策定し,実施する。そのための費用に充当したい。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Development of a 20-item questionnaire for drinking behavior pattern (DBP-20) toward personalized behavioral approaches for alcohol use disorder.2022
Author(s)
Kurihara, K., Shinzato, H., Koda, M., Enoki, H., Otsuru, T., Takaesu, Y., & Kondo, T.
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Journal Title
Alcohol
Volume: 101
Pages: 9-16
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Prevalence and profile of depressive mixed state in patients with autism spectrum disorder.2021
Author(s)
Zamami, Y., Shinzato, H., Kurihara, K., Koda, M., Nakamura, A., & Kondo, T.
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Journal Title
Psychiatry research
Volume: 300
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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