2021 Fiscal Year Research-status Report
日常会話形式による認知症評価法の医療・福祉・地域における活用可能性の検証
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20K14220
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
大庭 輝 弘前大学, 保健学研究科, 准教授 (60783412)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 認知症 / スクリーニング / コミュニケーション / 自然言語処理 / 認知機能検査 / アセスメント / 会話 |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウイルス感染症の影響により新規のデータはほとんど取得できなかった。代わりに、これまでに収集したデータを用いて解析を進めた。16名の発話内容について形態素解析を用いた日常会話式認知機能評価の採点法を検証した。全体の評価精度及び各条件の平均精度は60%程度であり、各条件や会話データによるばらつきが大きかった。会話の際の質問の工夫や条件設定を明確化することによる制度の向上を図る必要性が示唆された。これらの解析については日本認知症ケア学会で報告した。 また、日常会話式認知機能評価を評価する際の会話の録音音声を用いて評定者間信頼性の検証を進めた。2名の評価者による級内相関係数は0.71と良好な値を示したが、評価方法の差異があるため、より評定者を増やした条件での解析が必要だと考えられた。一方、日常会話式認知機能評価は既存の認知機能検査であるMini-Mental State Examinationやリバーミード行動記憶検査などと中程度から高い相関係数を示し、併存的妥当性を再検証することができた。評定者間信頼性および併存的妥当性の検証結果については日本老年臨床心理学会で報告した。前年度からの新規データの取得が困難な状況ではあるが、日常会話形式の認知症評価法の有用性について検証を進めることができている。今年度は、新型コロナウイルス感染症の状況を鑑みながら、新規データの取得も進めていけるよう打ち合わせを進めている。 さらに、日常会話式認知機能評価の解説を含めた書籍「認知症plusコミュニケーション 怒らない、否定しない、共感する」を日本看護協会出版会から発刊することができ、手法の普及を図ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の影響により新規データの取得が困難になっている。
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Strategy for Future Research Activity |
すでに取得したデータの解析を進めている。調査の再開時期や再開後の実施方法について打ち合わせを行っている。
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Causes of Carryover |
新規データの取得及び成果報告のための旅費支出がないため。次年度は論文投稿含めた成果の発表費用及び新規データの取得に向けた旅費等に活用する。
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Research Products
(6 results)