2020 Fiscal Year Research-status Report
路床・路盤材の性能評価試験の精度と各関係性に関する基礎的研究
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20K14805
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
山中 光一 日本大学, 理工学部, 助教 (80733287)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 仕様規定 / 性能規定 / 性能指標 / CBR / レジリエントモデュラス / 変動係数 |
Outline of Annual Research Achievements |
路床・路盤材の性能を照査する手法は,従来の仕様規定型の考え方から性能照査型に移行するに伴い,様々な性能照査手法の検討がされている。Mr等のように,性能指標が性能照査型設計方法の設計用値として直接用いられているものもあり,路床・路盤材料の性能値は的確に評価できる手法であることが求められている。本研究では,各性能照査手法の精度および得られた各評価指標の関係性を明らかにするため,①室内試験から得られる性能評価手法の測定精度に関する検討,②現場計測試験から得られる性能評価手法の測定精度に関する検討,③①および②から得られた評価指標の関係性について検討するものである。 本年度では,①について,室内試験として実施されるCBR試験(JIS A 1211),レジリエントモデュラス(Mr)試験 (E016T)の測定精度について検討を行った。なお,本年度実施した室内試験の供試体は,締固め度を変化(締固め度85,90,95%)させて作製し,得られた性能指標は変動係数により評価を行っている。また,Mr試験の結果は,米国のMEPDG一般化モデルを用いて構造解析を行い,路床上端からの深さに応じたMrの値について検討を行っている。その結果,CBR試験より得られるCBRの変動係数は,締固め度に応じて11~25%と幅広い値を示したのに対して,Mr試験および構造解析より得られるMrの変動係数は10%程度であり,最大でも13%程度であることが分かった。また,路床上端から2m以内はMrの変動係数の値は8~11%の範囲で変動するのに対して,2m以降ではMr試験の結果よりも地盤密度の影響を受け変動係数が異なる値を示すことが明らかとなった。Mr試験については,サンプル数が少ないことから次年度以降も継続しての計測が課題となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「①室内試験から得られる性能評価手法の測定精度に関する検討」については,Mr試験のサンプル数が少ないことによりやや遅れている状況であるが,本年度に得られた知見は論文として投稿予定である。また,Mr試験より得られるMrの変動係数に関する基礎的な知見は得られたが,構造解析を実施する際の地盤密度の影響によりMrの変動係数の傾向は異なることから,Mr試験を実施する際の供試体密度の変動係数等を考慮してMrの変動係数を評価して行く必要がでてきた。これらの新たな課題については,次年度以降も十分に検討していく必要のある内容ではあるが,本研究全体の進捗に大きな影響を及ぼすものではないと考える。そのため,前述のMr試験のサンプル数のみが課題として挙げられるだけであり,進捗状況としては軽微な遅れのみである。 また,本年度に購入をした小型FWD装置については,試験計測を行っており,次年度の検討内容ですぐに使用できる状態となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,現場計測試験より得られる性能指標の測定精度に関する検討を行う。具体的には,本年度と同様の条件で作製した模型地盤を用いて現場計測試験(小型FWD試験,平板載荷試験 JIS A 1215)を行い,試験結果のばらつきを変動係数により評価を行う。 本年度の遅れ分については,上記の検討項目と同時並行で実施をしていくが,本年度の研究成果により明らかとなった新たな課題を十分に考慮しつつ,現場計測試験を実施し,「②現場計測試験から得られる性能評価手法の測定精度に関する検討」を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
当該年度で購入を行った試験装置が予定より安価な価格で購入できたため残額が生じた。 差額分については、少額であるため次年度の消耗品購入に充てる予定である。
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