2022 Fiscal Year Annual Research Report
レシートビッグデータを活用した「パーソナル・ナッジ」による野菜摂取拡大効果の検証
Project/Area Number |
20K15615
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Research Institution | Policy Research Institute, Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries |
Principal Investigator |
佐々木 宏樹 農林水産省農林水産政策研究所, その他部局等, 研究員 (00371013)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 野菜消費 / ランダム化比較試験(RCT) / ナッジ / レシートデータ / 行動変容 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本の野菜消費量は、食習慣の欧米化などを背景に約30年前から減少傾向が続く。成人1人当たり摂取量は1日平均280グラム程度で、国が推奨する目標の1日350グラムを下回る。農林水産省は、野菜摂取を呼び掛けるポスターなどで啓発を続けているものの、積極的な消費拡大には結び付いていない。 そこで、本研究では、家計簿アプリから収集されたレシートデータをアウトカムとし、野菜購買を促す効果的な情報発信(ナッジ)のあり方を探るため、ランダム化比較試験 (Randomized Controlled Trial、RCT)の手法を使ったフィールド実験を実施した。加えて、本研究では、上記レシートから取得する野菜の購入量や購入額のデータだけでなく、野菜の摂取量を申告データ(「野菜料理摂取皿数」)から取得する実験デザインとした。「野菜料理接種皿数」は野菜摂取状況を簡便に把握する指標として用いられている。 計画通り実験を実施し、対照群と2つの介入群の実験データを収集することができた。主な結果は以下の通りである。まず、野菜の健康増進効果の説明のみを受けた群では、全体として、家計の野菜購入量や購入金額に大きな影響は見られなかったが、情報の波及効果により肉類の購入量と金額が有意に減少した。また、過去1年間の購入履歴に基づき同性・同世代と比較した相対的な野菜購入量の情報を提供した所、元々野菜を多く摂取している家計の購入金額及び購入量が更に増加することが確認された。サブグループ分析では、この傾向は子どものいない世帯よりも子どものいる世帯でより顕著であった。また、この効果は子供ありの世帯で介入後も持続した。他方、摂取量をアウトカムとした場合は、ナッジが個人の食選択行動により直接的に与える影響を観察することとなる。結果、いずれのナッジも野菜の摂取量の増加に強く影響を与えたが、その効果は全体では長期間持続しなかった。
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Research Products
(2 results)