2021 Fiscal Year Research-status Report
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20K16194
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
黒田 揮志夫 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (10772808)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 浸潤性粘液腺癌 / 非浸潤性粘液腺癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、本研究に必要な症例の収集および解析を行った。1. 今年度は、亀田総合病院の症例を用いて浸潤性粘液腺癌症例を40症例と、同時期に提出された非浸潤性粘液腺癌症例の中からHE組織を再顕鏡し浸潤性粘液腺癌成分を含む症例を40症例を抽出した。それらの中短期における予後調査を行った。浸潤性粘液腺癌と非浸潤性粘液腺癌症例における、中短期の再発率と生存率を明らかとした。その結果は、前年度に行った長崎大学症例とと同様に、中短期における再発率と生存率に有意差は認めなかった。2. これらの症例に関しても、昨年度同様に、浸潤性粘液腺癌症例(40症例)、浸潤性粘液腺癌(40症例)共に、HE染色標本の再顕鏡により組織系の再評価を行った。併せて、すでに行われているHNF4aおよびTTF-1染色の結果を再評価した。再評価を行うことにより、それぞれの染色性や染色強度などを評価することができた。非粘液腺癌症例では、HNF4aが染色されず、これらが異なる遺伝子変異を有している可能性が示唆された。3. 令和3年8月1日から令和4年7月31日まで、育児、看護のため中断。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
子供の小児慢性特定疾患発症による、居住地移動、入院看護などにより、当初の研究計画に遅れが生じている。また、緊急事態宣言による都市間の移動制限があったため、使用する症例の変更が必要と判断し、亀田総合病院での症例での検討を開始しすることになった。症例の洗い出しとともに、昨年度に長崎大学症例に行ったことと同様の検討を行うこととなった。今年度は、症例の収集およびすでに染色されている症例に対して検討を行ったため、新たな出費が出なかった。この余剰金分は、来年度以降に予定している遺伝子変異の研究解析に充てる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究休止期間終了後は、HE染色の組織系の再評価、HNFaおよびTTF-1の染色の再評価を行う予定である。当初の予定通り、浸潤性粘液腺癌症例、非粘液性腺癌のうちTTF-1(-)でHNF4a(+)症例に関して、遺伝子解析を行う。遺伝子解析は、次世代シークエンサーを用いて52遺伝子のパネルにより遺伝子変異を同定する。今回は、KRAS変異の各亜型に注目するとともに、その他の特異的な遺伝子変異やシグナル伝達の解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
今年度は、子供の発病に伴う住所の変更と、コロナウイルスに対する緊急事態宣言下における都市間の移動制限がでたため、急遽使用する施設の症例を変更しなくてはならなくなった。そのため、前年度行ったことを異なる施設において行った。一昨年の経験もあり、それらを半年で終えることができた。そのため、人件費の支出もなく終わった。休止期間あけは、本年度に予定していた計画を行う予定である。
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