2021 Fiscal Year Research-status Report
Clinical application of extracellular pH mapping as new quantitative biomarker
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20K16759
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
松元 友暉 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 助教 (70838151)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 細胞外pH / pH / MRI / 脳腫瘍 / 造影剤 / QPM / QSM |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,細胞外pHが各種造影剤の固有緩和能に対してどのように関与するのか機序を明確にすることで,人体における細胞外pHマッピングの基礎的検討を完成し,細胞外pHマッピングの臨床応用への展開を目指す.そのために,昨年度は,各種MRI造影剤の緩和能が酸性度(pH)によってどのように変化するかを検証するためにInvitro実験を繰り返してきた.この検証の結果,pHに対して感度の高い造影剤と低い造影剤があることを確認している.上記検証の結果,現段階では,ガドブドロールが臨床使用に適していると考えている.このことを踏まえて,ガドブドロールを使用した細胞外pHの算出について論文を一本投稿した.結果として,原発性脳腫瘍群は他の脳疾患群に比べ有意に高いr1値を示した(P<0.001).さらに,平均pHe値は,腫瘍の悪性度が低く,原発性脳腫瘍は他の脳疾患群に比べ有意に低い傾向を示した(P<0.001).この結果は,pHe脳腫瘍マッピングが腫瘍バイオマーカーとして機能することを示唆していると思われる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現段階では,pHに依存する造影剤緩和能に関して検討を行っており,造影剤の分子構造によって,pH依存性が異なることを非線形関数にて確認できている.また,患者撮像で取得した緩和能マッピングに上記関数を適応することで,細胞外マッピングの可視化することができた.さらに,このことについて論文を一本出版することができた.上記により,現段階では,概ね予定通りに進展したと考える.
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Strategy for Future Research Activity |
現在,細胞外pHマッピングは脳中枢神経腫瘍・転移性脳腫瘍に限定しているが,十分な確証が得られれば,他部位の腫瘍について細胞外pHマッピングが適応できるか検証を行う.本研究手法は検査部位を限定しないため,造影剤検査の際,様々な部位への適応が期待される.例えば,乳房MRI検査において良悪性の鑑別診断や病変範囲の同定に造影剤がしばしば使用されるため細胞外pHマッピングが有用であると考える.また,ガドブドロール以外の臨床用造影剤についても検証することで,汎用的は細胞外pHマッピングを目指す.
そして,得られた研究成果を社会に向けて広く発信するために,国内学会および国際会議を中心とした成果発表,英文誌への論文投稿での成果報告を行うつもりである.
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Causes of Carryover |
学会参加費・渡航費が新型コロナウイルスの影響により,使用しなかったため次年度使用額が生じた.造影剤緩和能とpH依存性を詳細検証する際に,多くの造影剤が必要となるため,翌年度分として請求した研究費と合わせて薬剤購入費として使用する予定である.また,人工知能アルゴリズムを細胞外pHマッピングに組み合わせる場合,開発者を募りアルゴリズムを開発する必要がある.そのため,謝金も含めて人工知能アルゴリズムの開発代として使用する予定である.
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Research Products
(5 results)