2020 Fiscal Year Research-status Report
免疫治療における効果予測・評価のための低酸素イメージングバイオマーカーの確立
Project/Area Number |
20K16781
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
渡邊 史郎 北海道大学, 大学病院, 助教 (10802415)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 低酸素 / 免疫治療 / 治療効果予測 |
Outline of Annual Research Achievements |
低酸素と悪性腫瘍の関連にかかわる研究は基礎から臨床まで広く注目されており、生体での低酸素イメージング剤を用いた悪性腫瘍に対する治療の予後予測評価は多数の報告がある。多くはF-18 FMISOを用いた陽電子放出断層像(PET)であるが、いずれも低酸素が疑われる病変では予後や局所制御率が不良と報告されている。しかし、免疫チェックポイント阻害薬を用いた治療に関する予後予測や治療効果予測について、低酸素イメージングによる免疫治療の評価は行われていない。 免疫チェックポイント治療は高価であり、またこれまでの抗がん剤とは異なる自己免疫メカニズムをもつ特異的な副作用を引き起こす。免疫関連有害事象として知られているが、まだ不明な点も多く、不必要なADLの低下や治療のコンプライアンスを低下させる恐れもある。 非侵襲的な画像診断技術を用いて免疫治療の効果を事前に予測又は早期に判定することができれば、適切な患者選択、適切な投与回数・期間の決定、身体的負担の軽減、不要な副作用の回避、経済的な損失の抑制を実現できる可能性があり、その臨床的有用性や医療経済効果は極めて高いと言える。 本研究では北海道大学で開発された低酸素イメージング剤DiFAを用い、免疫チェックポイント治療開始前に行ったF-18 DiFA PETから治療の効果予測および予後予測を行う。 しかし、DiFAの合成が困難となってしまったため、既存のF-18 FMISOを用いたPETに変更になったため、研究計画の変更が必要となった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初予定していた低酸素イメージング剤であるF-18 DiFAの合成装置のメンテナンスおよびオペレータの習熟が必要であり、期間内の合成検討が困難であることから、F-18 DiFAでの低酸素評価が困難となった。研究計画を既存のF-18 FMISOを用いた低酸素評価に変更する必要があり、その合成装置のメンテナンス、検査方法の変更、プロトコールの見直しが必要となったため。
|
Strategy for Future Research Activity |
F-18 FMISOを用いた低酸素イメージングの評価を用いた研究計画へ変更することに際し、期間の短縮およびコロナ禍での症例リクルートを考慮し、適格基準を再考する。
|
Causes of Carryover |
当該年度での研究進捗が予定より遅れており、研究内容が次年度に持ち越しとなるため、その際の物品費が次年度に生じるため。
|