2020 Fiscal Year Research-status Report
Radiopaque microsphere with antibacterial and analgesic effect; from bench to clinic
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20K16806
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
成田 晶子 愛知医科大学, 医学部, 助教 (00762080)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | SAP-MS |
Outline of Annual Research Achievements |
薬剤溶出ビーズによる塞栓術は局所効果の高い、低毒性の治療とされる。これまで抗癌剤を吸着させた治療は多くされてきたものの、その他の薬剤を吸着させた治療の報告はほとんどない。本研究では造影剤と抗生剤や鎮痛剤等の各種薬剤を併せて高級性ポリマー製球状塞栓物質(SAP-MS)を浸させ、視認可能かつ薬剤溶出による種々の作用を有する球状塞栓物質を作成することを目標としている。 本年度はどのような抗生剤や鎮痛剤、造影剤を検討し、どの大きさのSAP-MSを用いるかをまず検討した。続いて予備実験を行い、より具体的な研究計画を策定した。 まず、検討する抗生剤は汎用性の高さから、セファゾリンを検討することとした。セファゾリンは少量の生理食塩水や鎮痛剤であるキシロカインに溶解することがわかっている。セファゾリンを溶解したキシロカインでSAP-MSを含浸させれば、抗菌作用に加え、鎮痛作用を有したSAP-MSができると考え、鎮痛剤はキシロカインを検討することとした。造影剤は体幹での使用を検討しているため、当院で体幹の血管撮影に使用しているイオパミドール(イオパミロン300)を用いることした。SAP-MSの大きさはより視認性が検討しやすいよう150-200μmのサイズを選択した。 予備実験としては、セファゾリンがイオパミドールに溶解するかが不明であったため、検討を行った。セファゾリン1gにイオパミドール5mlを溶解したところ、3分間の混和後、5分程度の静置で溶解は可能であった。 以上よりSAP-MSを含浸させる溶液としてはセファゾリンを溶解した生理食塩水、イオパミドール、キシロカイン、また、それぞれの混合液を検討していくこととした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
薬剤(セファゾリン、キシロカイン)のSAP-MSにおける吸収率/溶出率の経時的変化は液体クロマトグラフィーを用いての検討を考えている。現在、その測定条件の策定に時間がかかっているため。
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Strategy for Future Research Activity |
・クロマトグラフィーの測定条件等が決まり次第、SAP-MSにおける吸収率/溶出率の経時的変化の検討を行う ・実体顕微鏡を用いて大きさの経時的変化の検討を行う ・血管撮影装置を用いてin vitroにおける視認性の検討を行う ・動物実験への応用を検討する
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Causes of Carryover |
クロマトグラフィーの測定条件の策定に時間がかかっている。この検討を外部施設に依頼しているため、その費用が必要である。また、各種物品(生理食塩水、セファゾリン、キシロカイン、イオパミドール、SAP-MS)等を購入予定である。
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