2020 Fiscal Year Research-status Report
トランスサイレチン心アミロイドーシスにおけるテクネシウム心臓集積活性の意義
Project/Area Number |
20K17100
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
緒方 詔子 久留米大学, 医学部, 助教 (50840021)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 心アミロイドーシス |
Outline of Annual Research Achievements |
全身性野生型トランスサイレチンアミロイドーシスは年齢と共に有病率は増加し、80歳以上でその有病率は約10-25%と推定されているが 、日常診療における診断率とは大きなギャップがある。これは、アミロイドーシスの確定診断には生検が必要不可欠であり、高齢者が多いこの疾患では消化管粘膜生検や心内膜心筋生検の施行はリスクが高く、施行が困難であることが影響していると思われる。そのため非侵襲的イメージングが注目されており、近年、99mTcシンチグラフィーはトランスサイレチンアミロイドーシスの診断に有用であることが報告されている。また、アミロイドーシスは予後不良であることが知られているが 、トランスサイレチン心アミロイドーシスに対するタファミジス治療は、プラセボ群と比較して30ヶ月死亡を30% 低下、心血管関連入院を32% 低下させたことが報告されており、早期診断・早期治療が望まれる。しかしながら、タファミジス治療を行っても治療効果の指標はなく、治療反応例の臨床背景についても明らかにされていない。我々は、Tcシンチグラフィーの心臓集積活性が早期診断や重症度に関連すると考え、心臓集積の評価方法、心臓集積に関連する因子、生命予後との関連を検討する。 まず、2008年~2018年までの10年間にアミロイドーシスが疑われた肥大心症例のうち、99mTcシンチグラフィーが施行された約150症例を抽出した。病理学的にトランスサイレチン心アミロイドーシスと診断された症例とALアミロイドーシス例、非アミロイドーシス例の臨床データ、心イベントについて調査し、トランスサイレチン心アミロイドーシスの臨床的特徴やイベントに関連する因子について検討を行っている。同時に、病理学的にトランスサイレチン心アミロイドーシスと診断され、タファミジス治療を行う症例を対象にタファミジスの経時的評価も行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年8月より産前産後休業、育児休業を取得したため。
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Strategy for Future Research Activity |
育児休業より復帰次第、引き続きデータの解析を行っていく。
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Causes of Carryover |
2020年8月より産前産後休業、育児休業を取得したため。次年度使用額は、物品費や学会発表を目的とした旅費などに使用予定である。
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