2021 Fiscal Year Annual Research Report
第2世代抗線維化チロシンキナーゼ阻害薬TAS-115の機能解析から臨床への展開
Project/Area Number |
20K17183
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
小山 壱也 徳島大学, 病院, 特任助教 (90724089)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 肺線維症 / TAS-115 / ニンテダニブ / マクロファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
シリカ気管内投与モデルを用いてマウスでの肺線維症モデルを作成した。シリカ400mg/kgを気管内投与しDay14以降に経時的に肺線維化が生じることが確認された。TAS-115がニンテダニブと比較しc-FMS抑制作用が強いことから、M-CSFによるprofibrotic macrophage分化を抑制している可能性を考慮しシリカ肺におけるマクロファージの検討を行った。シリカ投与後Day28のマウス肺ではCD11b+CD11c+マクロファージ分画の割合が増え、これらは他のマクロファージと比較しprofibrotic geneであるSpp1やPdgfaの発現が高いことが確認された。抗線維化薬によるCD11b+CD11c+マクロファージ分画への作用を比較するため、シリカ誘発性肺線維症マウスモデルに対してニンテダニブ(60mg/kg/day)またはTAS-115(100mg/kg/day)を経口投与したところ、シリカ投与後のDay28においてTAS-115投与群では有意に肺内のCD11b+CD11c+マクロファージの割合が減少していた。しかし、シリカモデルにおける肺線維化抑制はニンテダニブ、TAS-115投与いずれも認められず、組織学的スコアリングであるAshcroftスコアにおいても、Hydroxyproline含有量においてもTAS-115投与群で統計学的有意でないものの増悪傾向が見られた。これらのことからシリカ肺線維症モデルは一般に肺線維症モデルとして使用されているブレオマイシンモデルとは線維化の機序が異なること、必ずしもprofibrotic macrophageの機能抑制が線維化改善につながる訳でなく生理的な作用を抑制から線維化増悪につながる可能性があることが示唆された。
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Research Products
(2 results)